4つの富士山登山道
富士山は登るものでなくて眺めるもの?
富士山周辺の情報を発信するにあたり、やはり中心の富士山に触れないのは拙いだろうとの思いで今回はずばり富士登山についてのお話です。
わたしは富士山はそこにあるのが当たり前のように育ちました。
だからなのか、山頂まで登りたいなどと思ったことは特別ありませんでした。
皆さんの中にも近所の山の頂まで登ったことのない人も多いのでないでしょうか。それとたぶんそれと同じです。ただ対象が富士山だっただけです。
まあ、そうは言いましても近所の山ですから各登山道のドライブ、山頂を目指さないハイキングなどは何度もしているのですが。
それどころか富士山スカイラインが無料化され夏の規制が入るまでは、夏に暑いから涼みに行くという理由で5合目まで行って軽装のまま適当に歩いて涼んでいました。
山頂まで登ったのはいい歳になり、人に誘われ半強制的に登ったことが一度あるくらいです。で、実感として、
「富士山は登るものでなくて眺めるもの」
登る前からそう思っていたのを再認識した次第ですw
でもそれではお話になりませんし、そもそも世の多くの方は富士山に登ってみたいと思っていることでしょう。
では如何にして登るのか?ということですよね。
でもそのままではつまらないのでどの登山道を選ぶのか、そこから見えてくる登山者の性格などを添えて紹介してきます。
もっともそれらは考えられる一般的なものであり、全ての人に当てはまるものではありません。
特に富士山周辺に住んでいる人は自分家から一番近いという理由で選択する可能性が高いのでまったく当てになりませんw
また複数回登っている人もルートを色々変える人は参考になりませんね。
山頂までのルート
山頂までのルートは大まかに4つ。
吉田口、富士宮口、須走口、御殿場口です。
それぞれのルートは5合目までは車で行くことが出来き、そこから先は徒歩で登山となります。
まあ、物好きな方は海抜0mの田子ノ浦港から登山を始める人もいますが、それは特殊なのでここでは記しません。
五合目から山頂までの開通期間は山梨県側の吉田口は7月1日、それ以外の静岡県側のルートは7月10日に開山し、全ルートの閉山は9月10日までの期間と決まっています。
ただ雪が残っていたリすると山開きがずれ込んだりもします。早い時期に登山予定の方は事前に確認しておいた方が良いですね。
登頂までの時間は御殿場口がおよそ8時間くらいで、残りの三つは6時間くらいと見ておきましょう。
下りは登頂までの6割程度の時間です。とっても雑な解説ですねw
それではそれぞれの登山道を個別に纏めてみます。
1.吉田口登山道
首都圏からのアクセスの関係もあって一番人気の登山道ですね。とにかくずば抜けて人が多いのが特徴です。
富士スバルライン
こちらの5合目まで通じている有料道路の富士スバルラインは通年を通して営業していることが特徴です。
静岡県側は冬期閉鎖されるため、シーズン以外で5合目まで車で行くことが出来ません。それに対してこちらの道は概ね好きなときに登れるのが良いですね。
ただ5合目まで行けば夏場でも十分涼しいです。それ以外の季節になると防寒に気を付けなければ行けませんし、路面の凍結なども考慮しなくてはなりません。
また夜間には閉鎖されるので就業時間も事前に確認が必要です。季節により開通、閉鎖時間が前後しますので注意してください。
通行料金 普通車 全線(往復) 2,060円
※自転車・原動機付き自転車(125cc以下) 200円
結構なお値段の気もしますが通年を通して営業しており、道路の補修や雪かきなどの維持管理費を考えると致し方ないですね。
それにしても自転車と原付はお安い!
これは自転車で登るしかないでしょう、下り時間は車とかわりませんよ。登るときは地獄ですが……わたしなら原付にしておきます。でも登れるのか?w
ハイシーズンの7月10日から9月10日までの期間は富士スバルラインもマイカー規制が行われます。
この期間は基本的には車での乗り入れが出来なくなり、富士山パーキング(山梨県立富士北麓駐車場)に車を駐めてシャトルバスの利用となります。
駐車料金 自動車(二輪自動車125cc超を含む)1台1回1,000円
シャトルバス往復 大人一人 1,860円
※シャトルバスはおよそ30分間隔であります。登りの始発は5時30分からですが、金土曜日や混雑が見込まれる日には4時30分から運行されます。
下りは20時30分までありますから普通なら困ることはないでしょう。
一部マイカー規制の対象とならない車両もあります。
マイカー規制の対象とならない車両
マイカー規制の対象とならない車両は次のとおりです。
バス(乗車定員11人以上のマイクロバスを含む)、ハイヤー、タクシー、軽車両(原動機付きのものは規制の対象となります。)、電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)(EV、FCVにつきましては富士山パーキング(富士北麓駐車場)で確認証の交付をお受けください。
ハイブリッド車は規制の対象となります。)、指定車、許可車、身体障害者等乗車車両(身障者手帳、療育手帳又は精神障害者保健福祉手帳をお持ちください。)
※電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)の確認証は山梨県が交付しますので、詳し いことにつきましては下記の観光部観光資源課にお問い合わせください。
※上記規制対象外車両の外、マイカー規制期間前に有料道路へ入った車両が下山する場合には、規制の対象とはなりません。
【マイカー規制についての問い合わせ先】
山梨県道路公社
TEL:0555-72-1311
富士山有料道路管理事務所
TEL:0555-72-5244
外部リンク 富士山有料道路 富士スバルライン
富士スバルライン マイカー規制2019
5合目からの吉田口登山道
吉田口登山道は先に書きましたようにその利用者数がずば抜けて多いルートです。
その為かこちらのルートは登りと下りが別ルートになっているのが特徴です。
また登山客の量に比例して山小屋の数も多くあります。
吉田口と呼んでいますが、本当の吉田口登山道は北口本宮冨士浅間神社から真っ直ぐに登ってくるルートで、こちらの道は6合目から本来の吉田口登山道と合流します。
この辺りからいよいよ登山らしい山道になってきます。
そして8合目付近まで来ますと岩場が急なことも手伝ってか混雑が始まります。
特に御来光を望む夜間登山の人たちが行列を作っている光景は有名ですね。
さらに本八合ではお隣の須走ルートも合流して頂上を目指すので渋滞に拍車がかかります。
あとは前の人に着いていけば山頂ですw
下りは八合目で吉田口と須走口のルートに分岐するので注意してください。
間違うととんでもないところに降りてしまいます。
もし砂走りの看板を見かけたら、落ち着いてやってしまったと自覚し、八合目の分岐まで戻ってください。そのくらいならまだ傷は浅いですw
その他
御来光を見るためには前泊が必要となります。
その為には山小屋への宿泊が必須です。富士山でテント張りは許されていません。必ず山小屋を利用してください。外で過ごすなど以ての外です。
冬期は閉鎖されている富士山ですが、富士山で唯一、吉田口五合目の佐藤小屋は通年を通して営業しています。
またこちらではテントを張れるスペースも確保されています。自然公園法で富士山でのテント張りは基本出来ないのですが、何かしらの抜け道があるのかもしれませんね。
山小屋についての詳しい情報はこちらから
外部リンク富士山吉田口旅館組合
吉田口選択者の性格は?
吉田口は一番登山者が多いので一番発展してて山室の数も一番多いです。
これは緊急時の避難場所として考えた時にとても心強いですね。
また同じ登山者が多いのも励みになり、道半ばで歩けない状態になった時に頼れる可能性があるのも有り難いものです。
そもそも天候が良い場合ばかりではありませんので道の見えない状況下で歩かなくてはならないときなどは一人や仲間内だけでは心細いこともありますから、廻りに人がいてくれるのはそれだけで安心感が違います。
それにこちらのルートの経験者が多いことからも事前の情報収集もしやすく計画や準備も立てるのが楽です。
みんなが登るルートを登る。それは一番確かな方法です。
以上のことを踏まえますと、こちらの登山道を選択する方は手堅く堅実な方ではないかと思います。
2.富士宮口登山道
次は富士宮口です。
こちらも吉田口ほどではないにしてもシーズン中はかなり混みますね。一番車で標高の高い場所までいけるのでお得ですが、結構、登山道が険しい印象です。
富士スカイライン(富士宮口登山区間)
水ヶ塚から5合目まで道路です。周遊道路は通年利用可のです。
静岡県の登山道は冬期は閉鎖刺されています。大体、例年四月の後半位には閉鎖が解除されていると思います。
解除日は一定ではなく、その年の積雪具合や道路の破損状況により開通時期が変動します。
静岡県側の富士スカイラインは冬期閉鎖と引き替えに開通時には無料で新5合目まで車で上ることが出来て大変お得です。
先に出た富士スバルラインが通年営業で有料なのに対してこちらは期間限定で無料なのです。どちらが良いのかは一概には言えませんが、料金がかからないのは嬉しいことに間違いありません。
おかげで登山目的ではなく、ただのドライブやツーリングでも気安く登ることが出来ます。
又その手軽さ故に、行楽シーズンには350台ある駐車場が一杯になって渋滞したりもします。因みに駐車料金は無料です。
ただしこちらの道路も7月10日から9月10日までの期間、マイカー規制となり一般車の進入は禁止されます。
富士山スカイライン周遊道路の富士宮口登山道の起点近くの水ヶ塚が駐車場になります。
売店「森の駅富士山」 電話:055-998-0085
駐車料金 自動車1台 1,000円
※水ヶ塚駐車場では1時間以内の利用であれば無料
声をかければ無料駐車券をもらえるので、出車時にこれを係の人に返却
※水ヶ塚には1000台分の駐車場がありますが、満車の場合は手前の西臼塚の駐車場になります。まあ、埋まらないと思いますが。
5合目までのシャトルバス 大人一人往復1,800円
下記の車両は、マイカー規制期間中でも規制区間の通行ができます。
バス(乗車定員11人以上のマイクロバスを含む)
タクシー、ハイヤー
自転車(登山道へ持ち込むことは不可)
身体障害者等関係車両(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、小児慢性特定疾患児手帳、戦傷病者手帳所有者)
その他許可車両
下山車両
外部リンク 静岡県/富士山マイカー規制
ツイッターで混在津状況を教えてくれているようです。
外部リンク しずおか×みち | 静岡県道路局 (@shizuoka_michi) | Twitter
静岡県 マイカー規制2019
富士山スカイライン マイカー規制2019
5合目からの富士宮口登山道
こちらのルートは全ルートの中で山頂までの距離が一番近いルートになります。
一気に登るので全体的に急斜面が多く、砂地で足が取られやすくてきつめの道です。
今では富士宮口登山道と呼ばれていますが、元々は平安時代に開かれた村山口登山道が元になっています。
修験の修行のために切り開かれた道で険しくて当たり前なのです。その為、江戸時代に富士講が流行ったときも、こちらは側は人気がありませんでした。
また標高も高くなるペースが速いので、他のルートに比べて高山病になりやすい傾向があります。自分で体調を見ながら歩くペースを作るのが大切です。
天気が好ければ見晴らしは良いです。
登り初めから山頂が近くに見えますが、最初の内はまったく近付かなくて嫌になります。でも振り返りながら駿河湾を眺めつつ登るのも悪くないですよ。
最後の胸突き八丁は結構厳しいです。酸素濃度が低く勾配が急なので息が切れます。ただそこを登り切ればお鉢に上がれますので達成感はなかなかです。
また最高峰の剣ヶ峰まで30分で行けます。でも馬の背は急斜面で登りにくいですね。
その他
先にも書きましたとおり富士山でテント泊は出来ません。山小屋を利用してください。
富士宮口の山小屋の情報はこちらから。
外部リンク 富士山表富士宮口登山組合−富士登山ガイド・富士山マップ・山小屋(山室)情報など富士登山の最新情報満載!
富士宮口選択者の性格は?
富士宮口は吉田口に比べますと距離は近いものの勾配が急だったりと多少登りにくい印象です。
それをあえて選択する辺り、もしかすると最短の言葉に惹かれてしまう人かも……
同時に多くの人とちょっと違う道を歩きたい、登り難いのに挑みたいという気持ちのある人かもしれませんね。
ともすれば遊び心中心で、たがを外しかねないものの、それでもこちらの登山道を選択している時点でそれなりに自制心はあるものと思われます。
本当に自制心がなければ登山道を無視しますから――そのレベルか。
また富士登山は村山口から本格的に開かれたであろうと歴史的な意味合いから修験の追体験をしたくて登る方もいるかもしれません。
としますと、こちらの登山道を選択するのはちょっとずれているけど何とか人並み、陽気で遊び心に溢れた人、でもちょっとせっかちさんではないでしょうか。
もしくは歴史や由来に拘る、こだわり派なのかもしれませんね。
3.須走口登山道
ふじあざみライン
こちらの道路も静岡県の管轄する道路で富士山スカイラインと同様に冬期閉鎖されます。
開通は大体、富士山スカイラインと同様の4月後半頃の時期となりますが、コンディションによっては、ずれることもあります。富士山スカイラインの開通を見て行きたくなったときは事前に開通状況を確かめた方がいいです。
閉鎖も富士山スカイラインと同時期で11月の頭位ですが、凍結や積雪などの状況により変動するので注意してください。
5合目に200台ほどの駐車場有り 無料で止らめれます。
こちらも7月10日から9月10日までの期間、マイカー規制となり一般車の進入は禁止されます。
道の駅すばしりの奥にある須走多目的広場がマイカー規制時の駐車場に指定されています。
自動車1台 1,000円
シャトルバス 大人往復1,800円
下記の車両は、マイカー規制期間中でも規制区間の通行ができます。
バス(乗車定員11人以上のマイクロバスを含む)、タクシー、自転車、自衛隊車両、下山車両、標章を掲出する車両、身体障害者等乗車車両(※1)、燃料電池自動車(FCV)・電気自動車(EV)(※2)
(※1)身体障害者等乗車車両の対象は、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、小児慢性特定疾患児手帳、戦傷病者手帳をお持ちの方です。登山当日、手帳をご持参いただき、ゲート前の交通整理人に手帳をご提示ください。
(※2)ゲート前の交通整理人に車検証をご提示ください。
外部リンク 静岡県/富士山マイカー規制
静岡県 マイカー規制2019
ふじあざみライン マイカー規制2019
その他
須山口の山小屋はこちらで紹介しています。
外部リンク 山小屋案内|金太郎 生誕の地、小山町観光情報
須走口選択者の性格は?
須走口は吉田口、富士宮口に比べて格段に人が少なくなる登山道です。
それでもしっかりとした登山道なので森林地帯でなければ道に迷うこともなく普通に登れます。
このルートを選ぶ方は人混みから身を離して置きたい方なのではないでしょうか。
とはいうもののまったく孤立しているのではなく山頂近くになると吉田口と合流するのでこちらを歩いていても安心感はあります。何が何でも我が道を行く我の強い雰囲気は感じません。
独立心が強く、自分のことは自分でしたい人、マイペースが好きな人なのかもしれません。
またこちらのルートは緑が多いので植物などの自然に囲まれるのでそのような長閑な雰囲気が好きな方なのかもしれませんね。
マイペースで穏和、静かな落ち着いた人だと思われます。
4.御殿場口登山道
富士公園太郎坊線
富士宮からですと周遊道路を水ヶ塚を過ぎてしばらくすると富士公園太郎坊線に入る入口があります。
一本道なので登れば間もなく到着します。
500台規模の駐車場が有り、無料で駐車できます。
こちらの富士公園太郎坊線は静岡県の管轄なので他と同じく冬期閉鎖します。また春の開通も4月後半の同時期ですが、道路状況により遅れたりもします。
またこの登山口への道路は唯一夏季でもマイカー規制が行われません。
5合目からの御殿場口登山道
もう須走口とそう変わらない気もしますが、こちらの方が人が少ないそうです。一番人気のないルートですが、それにはもちろん分けがあります。
こちらの登山道、五合目の時点で明らかに他の登山道よりも山頂が遠くに見えます。
富士宮口がすぐに着きそうに見えるのと雲泥の差です。
それもそのはずで、お隣の一番高い富士宮口5合目は標高2400m程なのに対して、こちらの御殿場口は1440mしかありません。
傾斜は緩やかですがとにかく距離が長いです、他のルートに比べて断トツに長いです。
ここを選ぶ人は山登りが好きな人、歩きたい人、リピーターなのでは?
マイカー規制がなく、時間を拘束されないという利点はあるのですが、何しろこちらの登山ルートは他に比べて標高が低い所からスタートし、距離が長いので安易に選択しますと痛い目を見ます。体力に自信のない方はよした方が無難でしょう。
こちらは東向きに平坦で開けているので登山中のどのタイミングでも御来光が拝めます。
ただ見晴らしが良いのが仇となり、霧などが出ると道を見失う危険性も高いルートです。
始めて富士登山をする方には向かない登山口かと思います。
こちらは宝永山のすぐ近くを通過しますが、そこで道が分かれているので気を付けてください。
また帰りには宝永山のある6合目を過ぎると大砂走りがあるので気持ち良く下ることが出来ます。
その他
御殿場口は一番山小屋の少ないルートとなります。それも初心者にお勧めできない理由の一つです。
7合目まで山小屋はありません。それでいて5合目から7合目の間は4時間位かかりますがトイレもありません、注意が必要です。
外部リンク 御殿場ルートと 山小屋情報 | 御殿場市観光協会
御殿場口選択者の性格は?
こちらの登山道は他の3つとは明らかに異なります。
一番低い場所から山頂を目指す高低差のある登山道です。また景色が開けているのが特徴ですが、それがかえって霧がでたときなどに道に迷わせる原因となり難易度が高いです。
こちらをあえて選択する方は登山の好きな方、歩き慣れている方、あえて難しいものに挑戦したい方など限られるのではないでしょうか。
そう考えるとこちらを選択する方は自分を追い詰め挑戦するのが好きなストイックな方だと思われます。
一応分類してみましたが、当然ながら全ての人に当てはまるわけではありません。
また幾つもの登山道を登っている方もいるでしょう。
そんな人をあえて判断しますと、浮気性?w
いえいえ、あらゆる角度から富士山を確かめたい探求心の強い人なのかもしれませんね。
或いは全てのルートを制覇しなければ気が済まない完璧主義者かもしれません。
まあ、正直適当ですがw 何となくでも登山道の雰囲気が伝われば書いた甲斐があるというものです。
富士山有料化?「富士山保全協力金」
富士山保全協力金
富士山では平成26年より「富士山保全協力金」制度が実施され、入山時に一人1000円支払うことになっています。
これは読んだとおり富士山の保全のための協力金で強制的なものではありませんが、山頂まで登る気なら払っておきましょう。
集められたお金は登山道の整備やトイレなどに利用されています。
ここ数年は登山者数が増え続けているので登山道の傷みも早く、修復しなければならない頻度も増しているだろうし更なるトイレの確保も急務かと思います。
今年も吉田口登山道の山頂付近で道が崩れていて緊急の修復作業が成されました。
自然相手ですので人の都合などお構いなしわけでして、そこに人が割り込もうとすればどうしても無理がかかるのは必然、それを通そうと思えばそれなりの事が必要になります。
因みに江戸時代の富士講でも実は富士山に登るのに今の金額で2000円ほどの入山料みたいな喜捨のようなものが必要だったみたいですよ。お金を払うのが当たり前だったわけですね。
山室を使うのにも料金がかかりましたし、山頂に着けば着いたで仏様の像などが幾つもあって、それぞれでお賽銭などを要求されていたみたいです。雪を沸かしたお湯を一杯400円ほどで売ってたりw 昔だとて富士山に登るのにはお金が必要だったんですよ。
入山者数の規制
それにしても最近話が進んでいる入山者数の規制は何か違うような気がします。
富士山は世界遺産の中でも自然遺産ではなくて文化遺産なんですよ。
文化遺産として、富士山が信仰の象徴として文化的価値あるものとして保護されるのならば、入山者を規制するのは保護ではなくてただの排除ではないかと。
富士山の自然環境を守りたいという気持は分かりますけどね。
しかし富士講が文化遺産の一部なのですから、富士山を信仰し登ること自体、その心も行為も保護の対象のはずです。登山する事自体が守るべき対象だと思います。
だって誰しも少しは「富士山凄い!」という気持ちを抱いて登るでしょう。それは崇敬の念であり、祈りに通じる気持ちだと思うのです。
富士山の環境保全を考えるならば、数を規制するよりも富士山に登る人にマナーや心得をしっかりと憶えてもらい、守ってもらうことが大切なのではないのでしょうか。
混雑しすぎて山頂まで登れなくても、それは個人の責任に任せるべき問題ではないでしょうか。
管理する側がどうこう言うのではなく、登る人が判断すればいいことです。そもそも富士山の登頂率は5割ほどだと言われています。ざっくりと登山者の半分は山頂まで行けないわけです。
登頂できなかったとしたら、それは運が悪かった、もしくは富士山に迎え入れてもらえる準備が自分にはなかったと、ただそれだけけの話しです。駄目なら駄目でまた機会を改めて挑戦すれば良いだけです。
せっかく訪れて登れずに悔しい気持ちは分かりますが、そこは割り切るしかないでしょう。
人が多く入れば登山道が傷むのは当然ですし、人の手で作られたものなですから人の手で直せば良いだけです。その費用は登る人同士で互いに負担し合えばいいだけの話です。「富士山保全協力金」を集めているのだから有効に使ってください。
協力金を払ったのに天候不順で途中でやむなく引き返してきた!
金返せ!!――ですよねーw
気持は十分理解します。
でもそこはほら、富士山は信仰の山なのでお布施だと思って諦めてください。
富士山を登る人へ
登る前から計画的に
基本的にどのルートをとっても登れば登るほど体力は削がれ、空気は薄くなりますので辛いのはかわりません。
自分の計画にあったルートを選択してください。
多くの人が御来光目当てでしょうから、山小屋も多く施設が整っている吉田口がやはり一番安心だと思います。
わたしが以前に山頂まで登るのに富士宮口を選んだのは、静岡県住みで一番近いので日帰り登山が楽だからとの単純な理由です。
ただ富士宮口は距離が近いぶん一気に登るので他のルートよりも高山病になりやすいとのことです。
個人的には頭痛や吐き気などはないのですが基本的に3000m以上になってくると身体が酸欠気味ですぐに息が切れてしまうのでそれだけが辛いですね。
そうそう、富士宮口の利点ではないですが富士宮の麓には浅間大社があります。
登山記念に杖に焼き印をもらいたいと思っている方は、こちらで杖を購入すると最初から浅間大社の印の入った杖を手に入れられてちょっとお得ですよ。山頂で焼き印をもらえば上と下で揃って達成感がありますw
装備や服装については余所でいくらでも紹介しておりますのでそういうのは専門の方にお任せします。
万全な装備は大切だとは思いますが、世の中にはランニング短パンで富士山を駆け上がっていくヘンタイ、否、健脚な方もおられますし、自らの体力を削るほどの装備が果たして必要なのか、その辺のバランスを計れるほどの知識も経験もなく詳しくありませんので割愛させてください。
ただ基本的に体調だけは万全で望むことをお勧めします。
途中でリタイアするのも一苦労ですよ。早めに判断した方が引き返すのも楽です。常に帰ることを念頭に行動してください。
そして足許だけはしっかりとしておいた方が良いです。
富士山は噴火の折に噴出したスコリアが堆積しているのでごろごろとして滑り易いです。
またごつごつと尖っているので靴の傷みが他の山よりも酷い気がします。砂走りを思い切り駆け降ったせいかもしれませんがw
頑丈な登山靴でしっかりと足首を固めていく方が良いと思いますよ。
登ったら何処かの段階でほぼ雨に遇うと思って間違いない山ですし、風が強いと動けなくなります。
天気が好いと今度は日射しにやられる可能性がぐっと上がります。さらに高山病の危険性も付きまといます。
見た目的に楽そうに見えますが結構難しい山なのです。
半分の人は山頂まで登れません
そのことを頭に叩き込んで登山の折には思い出してください。
登れなくても当たり前なのです。ですから天候不順に見舞われたり、体調不良になったならば諦めて下ってください、それが当然なのですから。
閉山中に登る方もおりますが、それは自己責任で行い周りの人に迷惑をかけないでください。
冬期のテント泊も本来ならば禁止だと思うのですが、山小屋付近などの一部の場所は或いはギリギリ法の範囲なのかもしれません。
でもそこは人はいなくても山小屋の所有者の土地であることには変わらないので所有者が好きにして良いと公言していないのなら、事前に連絡を入れるなりの配慮は必要であると思います。
冬の富士山は救出する方も命懸けになってしまいます。
冬の富士山では麓からも風で雪が数百メートルも舞い上がっているのが見えます。
天気が好くても悪くても最悪だと理解し細心の注意をしてください。
そういえば富士山に登った個人的な感想は、登ったという満足感くらいしかありませんでした。
正直言いまして岩とスコリアの山肌は単調で面白くないですし、足場は悪くて登りにくいし、山頂に登っても眺めは良いには良いのですが、独立峰のため周囲に何もなく景色が平坦です。足許の見慣れた街も小さすぎていまいち。
まあ、人間の小ささを実感するにはいいかもしれません。
個人的には山登りには余り楽しい山ではありませんでした。
どうせ登るならアルプスなどの嶺々が連なる山の方が景色が良くて好きです。
思い切りディスっているようにも思えますがそんなことはないですよ!
富士山は麓から眺めると本当に表情に富んだ美しい山です。毎日見ていても飽きることはありません。また遠くの山の上から見る富士山もまた感動ものです、見られたときはとても嬉しいです。
ただ結論として「富士山は登るものじゃなくて眺めるもの」と。
結局ここに戻ってしまいましたw
これから登るあなたは富士山で何を見て何をみつけるのでしょうか。何を見て何を感じるかは登るあなた次第です。あなたにとって大切なものが見つかると良いですね。
富士山にお出かけの際を気を付けてくださいね。
始めて富士山に登る方は下のサイトは覗いておきましょう。
外部リンク 富士登山オフィシャルサイト