ふじ楽いず楽

富士山周辺と伊豆の観光スポットや遊ぶところを紹介するブログです

東伊豆のビーチ(の砂)特集

東伊豆のビーチの砂を比較

まずは伊豆の入り口、熱海から

 

熱海の街に面したサンビーチと長浜海水浴場

 

こちらは共に人工的に整備された海水浴場です。
その際にこの二ヶ所には大量に砂が運び込まれているようです。

 

熱海サンビーチ

熱海サンビーチ

 

長浜海水浴場

長浜海水浴場

 

写真ですと若干の違いがあるように見えますが、実物はほぼ見分けの付かない同質な砂です。

わりとニュートラルなカーキ系に分類できますが下田の砂ほど明度は高くないようです。

ただ粒子細かめでさらさらとしていて見た目も手触りも良い砂です。

 

色は大別するとグレー系とカーキ系になりますが、このカーキ系の方が温かみが有り見た目の印象が柔らかくなりますね。個人的にはリゾート感があると思います。

 

サンビーチと長浜の砂は伊豆の砂とは少し異なるように感じ、一体どこから持ち込まれたものなのかと疑問に思ったのですが、調べてみるとサンビーチの砂は千葉県君津市の山砂が使用されているとなっていました。

なるほど、全然違うのも納得です。

長浜の砂も同質なので同じく君津市の砂を使っているのでしょう。

 

つまり千葉から熱海の海に遊びに来ると地元の砂で寛げます。好いことなのか悪いことなのかはわかりませんが……

 

次は中野と網代に行ってみましょう

 

中野海水浴場

中野海水浴場

網代海水浴場

網代海水浴場

 


こちらはグレー系の砂ですね、しかも明らかに暗めな色です。

熱海サンビーチ、長浜に比べると粒子も少し大きいです。

 

中野と網代の砂は濡れると黒々として綺麗です。

カーキ系がリゾート的な明るい印象なのに対してグレー系は野性味ある力強さを感じます。


この附近は元々、熱海周辺や長浜も含めてグレー系の砂が多かったのでしょう。こちらが現地の本来の砂の色かと思われます。

 

ハワイ島南部にブラック・サンド・ビーチ(黒砂海岸)と呼ばれる海岸があります。
その名通り黒い砂が広がるビーチとして有名です。

黒砂海岸の砂は噴火で流出した溶岩が海で砕けて黒い砂となって堆積したものです。

 

伊豆半島東部のこの辺りは現在もかなり活発な火山地帯です。

この附近も数千年前、数万年前に同じようなことが起こったのかもしれません。

 

伊豆半島は元々太平洋の海底にある火山群でした。

その火山群がフィリピン海プレートに載って日本列島にたどり着きました。
そしておよそ100万年前に本州に衝突します。

衝突後も数十万年に渡り噴火を繰り返しました。
皆さんご存じの伊豆スカイラインはそんな火山の連なりの上に作られた道路です。

 

それらの火山から流れ出た溶岩は海にまで達しました。

時代は変わりますが伊東の城ヶ崎などでは溶岩が海まで流れ込んだ様子がよくわかる場所です。

そのような溶岩が素となり黒い砂をたくさん生成したのでしょう。
色がハワイのように真っ黒くないのは時間と共に酸化などで変色してきたのかもしれません。

 

つまり中野や網代海水浴浴場などはその頃からの伊豆半島の歴史を感じ取れるジオサイト的なビーチなのです。

 

伊東の砂は?

宇佐美海水浴場

伊東に入って最初に現れるのは伊豆半島最大のビーチ、宇佐美海水浴場ですね。

むむむ……これは難しいですw

以前からこちらの砂は赤っぽいイメージを持っていました。

 

宇佐美海水浴場

宇佐美海水浴場

 

今回、砂を実際に比べてみるとこれまでの想像通り、伊豆のビーチの中では一番赤みがかった砂であることが確認できました。

 

でもこれは弱ったw

 

先ほど火山の影響でこの辺は黒い砂だー、とほざいたばかりですが、さっそく覆ってしまいました。

砂をよく見ると赤茶色の粒子がたくさん混じっていることがわかります。

 

赤色でふと思いついたのが大室山です。
大室山のスコリアは赤味の強い色をしています。

ならばこの附近の火山活動による噴火で同様な大量のスコリアが堆積して層を成しそれが風化して砂となってこちらの浜辺に集まったのかもしれません……

まぁ、わかりませんw

西伊豆にも赤味を帯びた砂はありますし、天城山系で赤色の砂が生まれる原因となるところがいくつかあるのかもしれません。砂を運んでくるであろう川を調べればあるいはもっと原因を特定できるかもしれません。

 

それにしても宇佐美の砂は粒子がかなり細かいですね。

これはさらさらで気持ちが良い。
遠浅の海が広がっていますし、小さい子供と砂遊びをするのに向いていると思いますよ。

あるいは湿り気を帯びればサンドアートなどにも利用できないかな?

 

 

お次は伊東オレンジビーチ

 

伊東オレンジビーチ

伊東オレンジビーチ

 

ここではもとのグレー系に砂に戻ります。

これで如何に宇佐美の砂が異質なのかわかります。でもこの辺りの砂浜全部よりも宇佐美の方が長いのであちらの方が主なのか?

 

オレンジビーチの砂は基本的には網代などと変わらない感じがします。
位置的にもまだ大室山の影響は少ないような気もしますね。どちらかといえば中野、網代と同質な雰囲気です。

ただ写真をみるとわかる通り、かなり大きな粒子が含まれています。

これは何なんだろうなぁ……

 

ちょっと妄想します。

オレンジビーチの汀はかなり急な傾斜をしています。
浜の奥、通り側は海面よりもかなり高くなっています。
その一段高い場所に海の家が並んでいます。

もしかするとかつて盛り砂をしたのかもしれません。

こちらはかなり以前からの海水浴場で昔から海の家もありました。
台風などで海の家ができるだけ被害を受けないように砂浜を盛り上げたのかもしれません。

それとも現在の135号を通すときに砂を寄せたのかな?

砂質自体はそれほど違いは無いように思えますが、とにかく粒子が大きい。

これは河口付近の砂か、近所の砂州などで堆積していた砂を盛り上げたようにも感じられます。

そう考えると波打ち際から海の家の距離と海面からの高さの関係が納得しやすいんだけど……思いつきで都合良すぎて何だかw

 

ここからいきなり河津へ

 

実は次に来るであろう東伊豆ではわりと有名な熱川YOU湯ビーチが抜けていることにまとめていて初めて気がつきました(汗

うっかりしていました。
自分でも気がつきませんでしたが、あの辺りはわりと足を運ぶことが少ないみたいです。

言い訳をすると、東回りだと城ヶ崎付近まではわりと遊びに行きますし、それより南だと天城越えで遊びに行きます。

そうするとどうしても河津、稲取で遊ぶか、南伊豆方面に足を向けてしまいがちなのでこの辺りに行く機会が思っていたよりも少ないようです。

盲点でした……

熱川の皆さんごめんなさい。機会があれば追加したいと思っています。

熱川YOU湯ビーチも確か人工的に砂を運び込んでいるはずなのでどんな砂が選ばれているのか気になります。

 

気を取り直して今井浜海水浴場です

 

今井浜海水浴場

今井浜海水浴場

 

こちらはお隣の河津海水浴場と合わせてしまいます。だって砂質同じですからw

因みに今井浜と河津の海水浴場は岬一つ挟んでいるだけです。
この岬がなければここの海水浴場は広くて人気が出るのにと常々思っていますが、それはまた別のお話ですね。

 

今井浜の砂はグレー系とカーキ系の混じりですが、グレー系が多いかな、と思います。

しかし明度的には熱海サンビーチの砂とそう変わらない感じです。伊東オレンジビーチなどよりもかなり明るい色です。

つまりグレー系でも明るめで綺麗です。
粒子も宇佐美ほどではないものの細か目で良い感じです。

混じっている白砂が下田を感じさせなくもないですね。

まぁ、まだ距離ありますし、この辺りは河津の河口からの天城から流れ出た砂が堆積している分が多いのではないかと思いますけど。

 

東伊豆もここまで来ると雰囲気が変わりますね。砂を見てもこの先の下田の海の砂を感じさせる白っぽい粒が増えて南国気分が増しているように思えます。

 

東伊豆の砂は火成岩が主原料?

東伊豆の海は火山の影響を多く見られるように思えます。

伊東の南側は4000年前の噴火活動で溶岩が海まで流れ出ているので砂浜自体が少ないですね。

 

砂もグレー系が中心なのは城ヶ崎で見られるような玄武岩や安山岩などの噴火で形成された火成岩が成分となった砂が主体だからなのではないかと思います。

 

しかし、伊豆は熱海に代表されるように観光地なだけあって砂を余所から持ってきてビーチを作ってしまう場合もありますので地域の統一性、連続性は本来あるべき姿から崩れています。

カーキ系の砂の方が温かみがあってリゾート感が出ますからそんな砂を持ってくる気持ちも分からなくはないんですけどね。

特に熱海は東伊豆の入り口で、あの附近であの砂の色を出されては先に進みにくくなってしまうかもしれません。

ただ宇佐美の砂も綺麗ですし、今井浜の砂も良いかなと思いますよ。

 

次は西伊豆のビーチ(の砂)の比較になります。

 

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