拝殿を近年建て替えたばかりのためとても綺麗です。参道の年経た巨大な杉の木と対比が美し思えるスポットです。
富士山世界文化遺産9
人の思いと願いが息づく、須山浅間神社
※こちらの拝殿は派手さはありませんが木の温もりが感じられ、その姿はは廻りの緑に映えて美しいものです。
宝永噴火の傷と再生
須山口登山道は古くからある登山道の一つであり大変歴史がある登山道です。その須山口登山道の起点に建つのがこちらの須山口浅間神社となります。
やはり登拝が盛んになるにつれてこちらも栄えてきたそうです。
源頼朝が戦勝祈願し奉献した記録もあり、また江戸時代には小田原藩主の庇護もあったとのことです。ここでもやはり御師が集落を作り多くの登拝者を迎えていました。その当時は大変賑わっていたようです。
ただこちらは大変不運なことに宝永大噴火がこの須山をもろに襲ったのでした。
宝永大噴火と言えば江戸時代中期、宝永4年(1707)に起きた富士山の噴火です。これは記録に残る噴火の中でももっとも新しい噴火であり、三大噴火の一つにも数えられているものでもあります。
噴火は2週間ほど続いたとされ、その噴火の跡は富士山の東山麓五合目の宝永山として今でもくっきりと刻まれています。宝永山を間近で見ますとその噴火口は三カ所有り擂り鉢状の噴火口は深く広くどれだけ大きな爆発が起きたのか想像もできないくらいです。
噴火の際の火山灰は関東一円に降り積もったといられていますが、この地方はその噴火が間近で起きたのですからその被害の規模は尋常ではありません。富士山東側では噴出した降下軽石や降下スコリアで三メントールも埋まってしまった場所もあると記録されています。それ以外にも灰は田畑に積もり耕作が出来なくなり、雨になれば土石流の原因になりました。
その噴火の被害にあったのですから神社も登山道も勿論ただでは済みませんでした。もともと須山口登山道は大宮、吉田と並び古くからあった登山道でしたが、その五合目付近で噴火が起きたのですから登山道は木っ端微塵です。それでも時間をかけ復旧し、人が戻り始めましたが、時代が明治になりますと御殿場口の開設、御殿場線の開通によって人の動きが変化し須山は取り残されていきました。
そして明治の後期になりますと登山道の途中が旧陸軍の演習所になってしまったために通行が出来なくその存在は人々の記憶から失われていきます。それ合わせてこちらの浅間神社もかつての勢いは衰えてしまいました。
このことからやはり浅間神社は富士山信仰の拠り所であり、登山道を失ってしまったことがどれほどの損失であったかがうかがい知れる次第です。ただ現在は新たに須山口登山道は整備され須山浅間神社から水ヶ塚を経て富士宮口六合目に接続するルートが開かれています。
富士山とともにある浅間神社であるだけに、このことは大きな意味を持ち、いずれこの地の新たな復興と発展に寄与するものではないでしょうか。
※鳥居の手前が川で拝殿でまでの距離は短いですが、参道両脇の杉の木の太さは相当なものです。ちょっとこの写真では伝わらないかもしれませんね。
こちらの拝殿は近年建て替えたばかりでとても綺麗です。
自分が訪れたときには神主さんが説明をしてくださり、拝殿に上がり本殿を拝めさせていただきました。思わぬ出来事にとても嬉しく思いました。
そうそう、近年人気の猪目(ハート型)の石灯籠の穴越しに写真を撮りましたよ、でも写真は勘弁してください、恥ずかしすぎますw
一時衰退もし、さして広い境内ではありませんが、それでもなおここには凛とした神域と感じられる空気が漂っています。
数百年は年経ている杉の巨木たちはそんな時代の返還を、今尚見下ろし続けているようです。
こちらもとても落ち着いた雰囲気の気持ちのよい場所です。皆さんも訪れて清々しい気分を味わってみては如何でしょうか。
ちょっと余談ですがこちらは雪が積もっているときに行くと素晴らしい写真が撮れそうな感じがします。しかしほぼ雪の降らない地方在住の自分は車に雪の備えがまったくないので近づけません。何しろ地元は5cmも雪が積もれば交通機関が狂いまくるようなところなのです。まあ、それすらも数年に一回の途轍もない出来事なんですが。冬は温和しくこたつで丸くなっていますよ。
須山浅間神社の駐車場などの基本情報
地図
近隣からのアクセスと駐車場
東名裾野IC方面から来ますと富士山方向へ向かって進みトヨタ富士東自動車研究所先の交差点を右折して次の信号で左折、
パノラマロードを北進、大野路交差点を通過してしばらくすると左に浅間神社の標識のある十字路がありますからそこを左折。後は道なりに進みますと神社の無料駐車場が現れます。
こちらで御朱印が欲しい方はgoogleの口コミなど参考にした方がいいですよ、社務所は常駐ではないようです。
※2019.6.29追記
有り難いことに2018年11月より神官さんが常駐しているとのことです。
公式情報
須山浅間神社 〒410-1231 静岡県裾野市須山柳沢722
外部リンク 須山浅間神社 (@suyamasengen) | Twitter
外部リンク 須山浅間神社|公式