※2022年修正
今回は秋の修善寺です、11月の下旬に訪れました。
こちらも伊豆を代表する人気観光スポットですよね。
街の中心となっている修禅寺は、かの弘法大師、空海が創建したお寺であり、周囲には小さいながら歴史と趣のある温泉街があって賑わっています。その凝縮感が手頃で観光に良いんですよね。
因みに地名は修善寺でお寺の名前は修禅寺です。読みは一緒なのですが、漢字表記だと異なります。字面でどちらのことか分かるのは有り難いのですが、記事を書いていても間違っていないか心配になりますよw
もう寒くなり、紅葉も終わってしまって今頃感満載なのですが、これからの観光の参考にどうぞ。足湯もあって寒い時でも楽しめますよ。
とりあえず起点となる駐車場の場所から始めましょう。
狭い街で道も細くて走り難いので、とりあえず車を駐めて楽になりたいですよね。
修善寺の駐車場
修善寺は観光地だけあってあちこちに駐車場はあります。
まず目的の飲食店などがあればそちらを利用すると一時間くらいは無料で止めさせてくれるところもありますので、まず確認してみてください。また修善寺に宿泊予定ならばそちらに連絡してみるのも手でしょう。
短時間や宿泊の場合はそれでも良いのですが、もう少し日帰りなどでゆっくりと観光をしたいよと言う人もそれなりにいると思います。
以前はそんな方のために知っている情報を載せていましたが、下の公式でまとめて写真付きで紹介してくれて便利になりました。
駐車場を調べたい方は下記リンクで探すと目的の駐車場を見つけやすいかと思います。
これは便利です、どこの観光地もやってくれれば良いのに……
外部リンク 伊豆市 観光情報 特設サイト
修禅寺はかの空海が創建せしお寺
伊豆でも由緒あるお寺
修禅寺は大同2年(807)にかの空海が開創した曹洞宗のお寺で正式名称は「福地山修禅萬安禅寺(ふくちざんしゅぜんばんなんぜんじ)」略して福地山修禅寺といいます。
伊豆山神社に続いてこちらにも空海が出てきましたね。しかもこちらは伊豆山とは事なりちょい役ではなく創建者としてこの地と強い関わりを持って登場です。これだから伊豆は面白いです。
また当時は周辺の地名が桂谷であったことから、桂谷山寺と呼ばれいていたようです。
延喜式には「伊豆国禅院一千束」と書かれたともあります。伊豆の禅寺の元締め的な存在だったのでしょうか、その影響力は相当なものだったようです。
鎌倉時代には源頼朝の弟の源範頼と、頼朝の息子にあたる鎌倉幕府二代将軍源頼家がこちらに幽閉され、殺害された歴史的事実もあったりします。身分あるものを幽閉する場所に選ばれていたことからも格式あるお寺であることは伺えます。
因みに空海が創建したときは真言宗でありましたが、その後、臨済宗を経て現在の曹洞宗になっています。まぁ、長い時の中でいろいろあったようですね。
伊豆には伊豆八十八ヶ所霊場巡りというお遍路があります。
200年ほど前からの記録があり、近年再注目されてきています。
これは伊豆の寺院八十八カ所と別格旧番札所2つをめぐるもので、いわゆる四国の八十八カ所巡りのお遍路と同質のもです。もちろん伊豆半島内ですのでその規模は随分と小さくはなりますが。
そしてこちらの修禅寺は札所の八十八番目、最後の札所に指定されています。
またこれとは異なりますが、こちらの修善寺の地域を取り囲むように四国八十八ヶ所を模した桂谷八十八ヶ所もあります。
こちらは更に小振りで28キロほどのコースを巡るようですね。ちょっとしたハイキングですが、一日だと厳しいかもしれません。
もちろん個人で楽しむこともできますが、毎年11月7日~9日まで、2泊3日をかけて道案内やお世話つきで八十八ヶ所めぐりの順拝も行われているようですよ。興味のある方は伊豆市の観光サイトで確認してみてください。
まずは入口からです。
こちらの山門は2014年に改修され仁王堂が新設されました。
左右の仁王堂はそれぞれ金剛力士像が一体ずつ収められています。像は藤原時代の作で像高は183センチの一木彫りで作者は不明とのこと。
これらの金剛力士像はかつては総門に収めれていたそうです。横瀬大門と呼ばれたその総門は遥か東、横瀬と呼ばれる地区(下田街道と修善寺駅の方に別れる橋のある近辺でしょうか?)にあったようですが明治の初期に失われたようです。
その後、金剛力士像は長い間近くの指月殿に安置されていましたが、近年になり再び活躍の場を与えられたようです。
残念ながら像の写真はありません。
何故か上手く撮れませんでした。
そもそも凄く混んでいて写真を撮るのが難しかったです。この写真ももっと広く周囲を入れて撮りたかったのですがどうして人が入ってしまうので仕方なく画角を狭めています。これだけのものを撮るために人の切れるの待つのに数分は要しました。人多過ぎw
修禅寺の手水舎は温泉です。
最近、熱海の湯前神社でやはり温泉の手水に触れて珍しいと思ったばかりなのに、まさかこんなすぐに近場でまた出合えるとは思っていませんでしたので嬉しかったです。
さすが伊豆は温泉地ですね、想像の上を行きます。
その向かいにあるのが鐘楼堂です。
こちらは屋根の反りが美しい形をしています。写真では見切れてしまってますが土台の玉石も丸味がありこれまた美しいですね。
何よりこの日は紅葉に恵まれたのが最高でした。時々雲も出ましたが比較的陽も出ていて写真撮影にもってこいでした。
最高はあと二、三日後だったかもしれませんが、まあそこまで欲張ってもしかたありませんね。毎日観察できるならともかく、こういうタイミングはなかなか遭えそうで遭えないものでまさに時の運と云いますか、一期一会の機会に巡り逢うようなものですよね。
こちらの本堂は近年、修復したばかりのこともあり綺麗ですね。
ご本尊の大日如来像は、鎌倉時代初期、1210年ごろの仏師、実慶作だそうです。高さ103cm、膝張り73cm、ほぼ等身大の桧の寄木造りの座像で国指定の重要文化財になっています。
右の松に脚立がw 松の手入れ中だったようです。上に人がいたのでしょうか?
今回は期間限定の特別公開の庭園に入ることができました。
東海第一園と呼ばれる修禅寺庭園です。
明治40年に皇太子時代の大正天皇がご覧になったときに「東海第一の庭園である」と仰ったそうです。2009年まで非公開でしたが、11下旬の一週間ほどのわずかな間だけ、境内の紅葉が色づくのに合わせて期間限定で公開されています。
本堂の右手の所で係の人に200円払い、渡り廊下の下を潜って庭に入ります。
こちらのお庭はそれ程の広さはないものの、裏山の斜面を利用した高低差のある野趣溢れる造りで見応えがます。
迫る山肌による囲まれ感が良い感じです。
ドウダンツツジをはじめとする木々の紅葉も美しいですし、千両や万両の赤い実も輝いていて秋らしい趣きです。ただ千両は目立つので色が良くなる頃には鳥に啄まれやすいので他人事ながらちょっと心配になります。
修禅寺にはこのほかにも宝物殿なども建っています。宝物殿や社務所は山門から入って右手側。そちらで御朱印も頂けます。
また脇から裏の方へ廻りますと寺山公園でウサギや鳥を飼育していたり、更にその先では山羊の親子がいたりします。またこの修禅寺裏山には2015年5月に観音菩薩像が再建されました。子供連れや興味のある方はそちらに足を運んでみては如何でしょうか。
修禅寺の情報
地図
近隣からのアクセス
お勧めの駐車場からは筥湯の前を歩き、虎渓橋を渡ると正面です。
公式情報
所在地 〒410-2416 静岡県伊豆市修善寺964
TEL 0558-72-0053(受付時間 AM8:30~PM16:00)
外部リンク 福地山 修禅寺|公式サイト
空海ゆかりのパワースポット修禅寺奥の院(正覚院)
幽玄な気配が立ち籠める奥の院 馳籠の窟
奥の院は延暦10年(791)に18歳の弘法大師が修行したところとであると伝わっています。
ここには馳籠の窟(かりごめのいわや)という岩洞があるといわれ、その岩壁に阿吽の滝が流れ落ちているそうです。
滝の横には弘法大師降魔壇という修行に使われたとされる石もあります。
現在でもとても雰囲気のある場所ですが、当時は相当な山中であったと思われます。
そこに足を運んだ空海はこの地を修行に向いていると判断したようですが、この付近には天魔地妖が多く跋扈し、修業の妨げになるどころか住民にも迷惑をかけていたようで、見かねた空海は天空に金色に輝く「大般若魔事品」の経文を書き、それらの魔族たちを岩谷に封印したと伝わっています。
またこれにより後、仏法が広まり国が治まったともいわれているようです。
もうここまで来ると完全にファンタジーの世界ですが、その様子を映像化すると格好いいこと間違いなしですw
それはともかく、さすがに若い空海が修行の場に選んだと伝わるだけあって山間の奥にあるこの場所は独特の雰囲気に包まれています。
特にこちらの階段を登った先にある奥の院の中心でもある馳籠の窟付近はその張り出した岩壁が威圧感を与えていて雰囲気に厳しさを覚えます。
ぴりっとした心引き締まる気持をいただくには良い場所ですね。
写真の左手が阿吽の滝で右が馳籠の窟なのでしょう。巨大な岩が張り出しています。
馳籠の窟は達磨山の噴火で流出した溶岩が無数の板状節理となって露出しているジオサイトのポイントでもあります。そちらに興味のある方もぜひ足を運んでみていください。
こちら奥の院では冬至には「星まつり」が執り行われ、一年の災厄を払い、新年の幸福を祈るそうです。
護摩の煙を当てると家内安全や無病息災がかなうとされ、毎年多くの方が参加しているようです。
この奥の院からさらに奥、山道を徒歩で50分くらい行くと「桂大師(かつらだいし)」という大きな桂の木があるそうです。
弘法大師が唐から持ち帰った桂の杖を刺したところ木が芽生えたとのこと。こちらは県指定の天然記念物で、根本に大師の石仏が祀られているようです。
今回はパスしましたがそのうち訪れてみたいスポットですね。
修禅寺の山門からこちらの奥の院までに48の石碑が建っているそうです。
それは
「色は匂えど散りぬるを、我が世誰ぞ常ならむ有為の奥今日こえて、浅き夢見し酔ひもせず」
という「いろは歌」が空海作という説があり、それに習い、いろは文字に「ん」を加えた48文字を刻んだ石碑を奥の院までの間に並べたそうです。
この石碑を辿ると修禅寺の山門から奥の院にたどり着けるようになっています。
距離にして5キロほどとのことですが、この区間は山間に入りますと田畑が広がり長閑でとても気持ちの良い場所です。歩くのがしんどくても車やバイクなどでなら苦にならない距離です。
修善寺を訪れた際に時間があればぜひ足を伸ばしてみてください。道は細い方ですが、混まないですし開けているので大丈夫だと思います。
あとこちらの境内にも桂谷八十八ヶ所の石碑がありましたね。
奥の院でも寺務所に人がいれば御朱印が頂けるようです。
不在の場合、あるいは確実に入手したいのなら修禅寺の方で頂けるとか。
どうしても奥の院現地で頂きたい方は、修禅寺で御朱印を頂くときに尋ねてみると、もしかすると不在かどうか知っているかもしれませんよ。
奥の院の駐車場などの基本情報
地図
近隣からのアクセスと駐車場
修善寺の街を抜け18号線を進みます。しばらく進みますと奥の院まで3.3キロと書かれた標識がありますのでそこを左折。
あとは道なりに進みますと到着します。けっこう遠く感じますが、道の脇には石碑が建っているので目印になります。
駐車場は未舗装ですが15台くらいは駐められそうな位の広さはありましたし、多分そんない混まないのでは?
駐車料金は無料
公式情報
所在地 〒410-2416伊豆市修善寺2940-1
TEL 0558-72-2501(伊豆市観光協会修善寺支部)
外部リンク 伊豆市 観光情報 特設サイト|公式サイト
桂川付近の観光エリア(日枝神社、とっこの湯、桂橋、竹林の小径など)はこちらから