東洋1のビーチの砂登場!
多々戸浜、岩地、らららサンビーチは如何に?
以前に伊豆の砂の比較を行いましたが、今回は番外編です。
伊豆の主なビーチの砂の比較は以前の記事で楽しんでください。
今回は選抜で下田の多々戸浜、松崎の岩地、沼津のらららサンビーチの砂に登場してもらいます。
この三者は以前の調査で伊豆の砂でも屈指の美しさを持った砂だと判断したものです。
下田のビーチの砂
より正確に言いますと、多々戸浜は下田の砂浜の代表です。
下田のビーチの砂はそれぞれ甲乙付けがたいのですが、多々戸で砂浜の綺麗な場所から採取してきているので代表にしました。
砂そのもので細かさなどを考慮しますと下田の外浦も捨てがたかったのですが、上の理由で気持ち多々戸浜の方が白いのでこちらを選んでいます。
西伊豆の砂
岩地は西伊豆を代表するビーチの一つです。
湾の中の穏やかなビーチで、白浜のように若者が集まって騒ぐ雰囲気ではありませんが、家族連れやまったり過ごしたい方に人気のあるビーチです。
南伊豆から西伊豆にかけては、伊豆半島がまだ海底火山だった時代に堆積した火山灰や軽石が地層となった場所が露頭しています。
それらは堂ヶ島付近で見られるように白く綺麗な色をしています。
西伊豆の海岸ではそれらを主成分とする砂が多く、白い砂浜になっているところが見られます。
岩地もその一つです。
らららサンビーチの砂
沼津のらららサンビーチは人工ビーチですが、入れている砂は伊豆地方で見られるものではありません。
白さでは岩地や下田のビーチの砂の色に劣るものの鮮やかさでは群を抜いて綺麗な砂です。どこか南方から持ってきた砂のように思われます。
同じく人工ビーチで砂が綺麗だなと思うのは小土肥ですね。
こちらは白さ鮮やかさでは上の三者にはかなわないものの、珪砂、石英の透明な粒が多く含まれていてとても綺麗です。
さてこのように伊豆でもトップクラスの砂を並べて比較するわけですが、その相手となるのは――
宮古島 与那覇前浜の砂
強敵登場www
与那覇前浜といいますと日本一どころか東洋一美しいビーチだといわれている場所ですね、相手にとって不足なし!
で、結論から言いますと宮古島与那覇前浜の砂の圧勝ですw
これはしょうがないです、何しろ相手は東洋一ですからw
東洋一とは景観のことですが、その3分の1は砂からなっています。
空と海と砂浜です。
そのビーチの砂もとても素晴らしいのです。
宮古島の砂
宮古島は赤土に覆われてはいますが、一皮むけばその大半は琉球石灰岩でできています。
石灰岩とはかつて珊瑚礁であったものです。
この石灰岩が宮古島の周辺には広がっていて、ビーチの砂の主原料となっています。
また宮古島には地表を流れる自然の川がありません。
それは石灰岩が細かな穴の開いた多孔質なため雨水をためることができないからです。
つまり宮古島では雨が降ってもみんな石灰岩を通して濾過してしまい、海に赤土などの流出が少なので砂に混じる土などの量が限られているということになります。
そのためビーチの砂の石灰岩の純度が高く綺麗な色を保てているのです。
もちろんそれ以外の成分もありますが、やはり海の生物や珊瑚のかけらであったり、貝殻が多めで砂の色を白くすることはあっても濁らすものはごく少量です。伊豆に見られるような火山岩からなる黒い粒子もほぼ見られません。
そのような成り立ちにより、このビーチは鮮やかで白い砂となっています。
また砂の細かさでいえば岩地や下田の外浦などと同レベルではないかと思います。
安良里で採取した砂ほどの細かさはありません。
でもこれくらいが砂としてはさらさらで良い感じかと思います。
つまり与那覇前浜の砂は不純物が少なくきめ細かく白くて色鮮やかで見た目も感触も優れた素晴らしい砂であるといえます。
宮古島与那覇前浜と伊豆のビーチの砂 比較結果
粒の細かさ……下田の外浦なみ さらさら感あり
色の白さ……伊豆でトップクラスの下田、岩地よりも白い
色の鮮やかさ……伊豆でトップクラスのらららサンビーチよりも明るい
と、伊豆の良いビーチの砂の良いところを一つに集めた砂となっています。
それぞれの項目なら勝てる部分もありますが、さすがにこれだけ好いとこ取りだとかないません。
結果として宮古島の砂が圧勝しましたが、比較してみると、らららサンビーチの砂は荒いものの貝殻を除いても近い成分が多いように思えます。
これってもしかすると石灰岩が含まれているのでしょうか?
となるとやはり南の方から持ってきたのかと疑わずにはいられません。
ただ山中でもかつては海の底で珊瑚礁だった場所が隆起して石灰岩を採取できる場所もあるので一概にも判断できず難しいです。
多々戸浜の砂は現地でも白く見えた場所から採取しましたが、余所と比べると貝殻の成分が多いように見えます。似たようなものが与那覇前浜の砂にも混じっています。
これももしかすると砂が白く綺麗に見える一つのポイントかもしれません。
岩地の砂は全く異なりますね。
岩地も白さで見るとなかなかのものですが、やはり主成分の違いが一番出ているのかと思います。
こちらの写真の左が西伊豆付近で見られる凝灰岩層の欠片です。
右が見たとおり死滅した珊瑚の欠片です。ただ現地のものではないので参考までに。
モニターだとよく分からないかと思いますが、同じ白でも色味に違いがあります。
凝灰岩のかけらは若干グレーっぽいのですが、珊瑚の方は暖色系の色味がかかっています。
同じ白いは白いですが、珊瑚の方が明るくて温かみがあって好みです。
ただこの色は残念ながら伊豆では見当たりませんね。このわずかながらの色の差が砂浜の色の違いを生んでいるのでしょう。
伊豆が海底火山であった時代に、もっと南方で浅瀬になっていたら、もしかすると珊瑚礁が形成されていたかもしれません。
それなら石灰岩の地層もありますし、砂浜も南方系の美しさがさらにプラスされていたのではないかと思うと残念です。
ただ贅沢を言ったらキリがないですw
今の伊豆のビーチの白砂もこれはこれで十分綺麗です。
逆に見れば沖縄などの南方でもこのような砂浜にお目にかかることは難しいかと思います。また伊豆はこの狭い地域の中でも地質が多様性に富んでいて、その場所その場所の特性があって面白いです。違いを楽しむの一興でしょう。これも伊豆ならばです。
またビーチは海ですから水質も気になるところです。
伊豆は全国でも屈指の水質の良さを誇っています。
沼津の井田付近の駿河湾に突き出した場所周辺では海流の影響でとても水質が良く、その質の高さは離島並だと国の調査結果によるお墨付きです。
※去年と今年は新型コロナウイルス影響で環境省の調査は行われていないようです。
綺麗な海と白砂により伊豆のビーチは南国のような発色をしていると考えられます。
そんな最高な海で日帰りで遊べるというのは、それだけでも十分な価値があります。
まぁ、もっともそんな綺麗な伊豆の海でシュノーリングをして魚たちを眺めていると、たまには珊瑚礁の海で泳ぎたくもなるのですが……
変な落ちを付けないでw