ふじ楽いず楽

富士山周辺と伊豆の観光スポットや遊ぶところを紹介するブログです

熱海ぷらぷら(来宮周辺)スタートは来宮駐車場

熱海概略

今回は熱海の市街地近辺です。
熱海は古くからの湯治場であり、かつては「阿多美」とも書かれていたようですが、海から熱い湯が湧いていることから「熱海」になったとも伝わっています。

 

熱海市街地

熱海市街地

※熱海サンビーチ沿いの遊歩道から街に建ち並ぶホテル群を見上げた写真です。

 

熱海は湯治場として古くから知られ親しまれていましたが、この地が一気に脚光を浴びたのは、やはり徳川家御用達の温泉となったからでしょう。三代将、軍徳川家光は現在の市役所付近に湯治用の「御殿」を建ていますし、それ以降は江戸まで熱海の湯を汲んで運ばせる執着ぶりです。余程気に入っていたのですね。その為、江戸時代の温泉番付では行司役という別格ぶりを見せています。そのため熱海温泉の知名度と特権は全国に響き渡りました。

それは明治になっても変わりません。
この地は東京からの距離も程よく保養地として政治家や政府高官に愛され利用されておりました。もちろん国の大事の会談も行われたりもありました。そのため東京以外で初めて市外電話が設置されたのがこの熱海です。保養しながらも東京との連絡を満に保ち強固なものにするために必要不可欠だったようです。

更に利便性を高めるために鉄道が敷かれるとそれらの人々以外にも実業家や文人などが保養と文化の匂いに吸い寄せられるように募ってきてこの地の文化が花開きました。

時代は下がり東海道線が開通し熱海駅が出来ると、そんな有名で華やかな街を庶民が放っておくわけもなく、熱海は更なる人を呼び寄せて観光都市へと変容し発達していくこととなるのです。
さてそんな歴史を踏まえながら熱海の来宮周辺の観光スポットを幾つか巡ってみたいと思います。

 


とりあえずスタートは来宮駐車場とします。ここからは徒歩で移動することとなります。他にも駐車場はありますが、今回訪れる場所を考慮すると無駄に車を動かすよりもその方が動きやすであろうとの予測からこのような組み立てとしました。ただ坂が多いので足の弱い方にはどうかなとも思います。訪れる場所によっては駐車場がある場所もあり、その旨を記載しますので参考にしてください。また観光コースの参考もどうぞ。

来宮駐車場

来宮駐車場

※来宮駅の南側、熱海街道沿いに駐車場があります。入口は脇道に入ってすぐの所です。

地図

 

コースは駐車場→双柿舎→海蔵寺→起雲閣→湯汲坂→来宮神社→駐車場と熱海の街の中を歩くコースとなります。

さてそれでは駐車場を出まして双柿舎へ向かうこととします。
とりあえず駐車場前の坂道を下ります。道なりに歩きますとカーブの先に川があり「社宮神橋」を渡って坂道を登ります。けっこう登ります、降りた分くらい……
突き当たりを左へ、坂道を下ります。この辺りは傾斜地なのでしかたありませんね。
間もなく左側に双柿舎はあります。

 

双柿舎(そうししゃ) 坪内逍遥の旧居

 

双柿舎は坪内逍遥が自ら設計し、晩年の1920年(大正9年)から死去する1935年(昭和10年)まで過ごした邸宅です。没後は早稲田大学に寄贈され、現在も早稲田大学が管理しているそうです。

逍遙は近代文学の一端を担う文豪の一人であり、シェクスピアの翻訳者として有名ですが、その他にも文学を習ったものなら「小説神髄」や「当世書生気質」を書き、日本の近代文学形成の一端を担った者として、また明治の歴史、風俗、金銭感覚などに興味があるなら参考文献として同じく「当世書生気質」などでその名を見知っているかと思います。そして読書家の方なら松本清張の「文豪」で逍遙の名とここ双柿舎を読み知っていることでしょう。

 

双柿舎 中門

双柿舎 中門

※道路にめんした入口からこんな感じで中が見えます。ここには角度的に写ってはいませんが、中門の扁額は逍遙の友でもある会津八一の手によるものだそうです。

随感

双柿舎の建物も庭も逍遙自身人が考えたものだそうです。
双柿舎のある場所は熱海の市街地から少し離れた閑静な住宅街にあります。位置的には熱海梅園を下った南の辺りに位置し、周囲は傾斜地で坂が大変多い地域で、市街地より高度があるため街を見下ろす位置になります。古くからある程度開けてりたのか、近辺には敷地の広い建物が多くてちょっと雰囲気が違います。

双柿舎の敷地は東向きに開けた傾斜地で南北に長い地形です。北西側に道路に面した入口があり、まずは中門が迎えてくれます。
そしてそれを潜るとすぐ正面に母屋の玄関となっています。生憎とこちらの建物は上がることは出来ないので迂回して庭の方へ廻ります。

 

双柿舎 庭

双柿舎 庭

※庭に廻ったところです。中央の添え木がされたもじゃもじゃしたのが柿の古木の一本です。

敷地が南向きに広く東が斜面で開けているので庭は日が差し気持ちの良い場所です。
双柿舎とはこちらの庭を造るときに二本の柿の古木があったことからこの名が付けれてとのことですが、昭和五四年に台風で一本は折れてしまったために無くなってしまいました。
現在は逍遙の出身地である美濃加茂市の人から贈られらた「蜂屋柿」が老木の脇に植えられているそうです。いつか昔の風景が再生されることを願います。

 

双柿舎 柿の木

双柿舎 柿の木

※奥が母屋でその手前のもじゃもじゃの固まりが双柿舎の名の由来となる柿の古木の一本だそうでもう一本はすでに朽ちているのか見あたりません。手前側が移植された柿の木でしょうか。

こちらの庭には奥に夫人の隠居部屋として建てられた東館、また一番奥まった南東の角には書屋が建っています。

双柿舎 東館前から

双柿舎 東館前から

※こちらの建物は夫人の隠居部屋として建てられたとか。写真中央の桜の枝振りが良いですね。

こちらは塔の形の書庫ですがあまり見かけない姿をしています。それもそのはずでこちらもまた逍遙自身の設計で和漢洋折衷の奇抜な発想の元に造られました。

双柿舎 書庫と石碑

双柿舎 書庫と石碑

※不思議な建物です。書庫として利用するために建てられたと知らないと、利用目的がピンとこないサイズと形です。手前の石碑は「福之湯の碑」ですぐ近所の水口園で温泉を掘り当てた折に当主が逍遙に温泉に命名を頼んで「福之湯」の名を付けてもらい、その労を讃えた碑のようです。近年、余所から移築されたようですね。近所というとそれらしき場所は「熱海ふふ」あたりの場所ですかね?


塔の胴体と屋根は和を、勾欄と亀腹は漢を、そして屋根の上のバトルメントは洋を表現しているとの事ですが、正直ちょっと分かりかねますw 当時の大工さんも不思議な依頼に困ったでしょうね。

書庫の先端

書庫の先端

※先端に翡翠の風見があります。シェイクスピアの「キングリヤ」かららしいのですが不見識でよく知りません、済みません。

あまり広くない庭ですが、高低差があるため起伏と変化に富んでいて面白い庭です。傾斜が多いので手入れする人には大変そうですが。
この日はまだ紅葉には早く、ドウダンツツジが色づいているくらいでしたがもう少し秋が深まるとなおいっそう美しくなりそうです。またこちらにはヤブ椿や桜に竹といろいろな草木が植えられているのでいつの季節でも楽しめそうですね。

双柿舎 母屋

双柿舎 母屋

※こうしてみると普通の庭と家ですが右側は3メートル位は低くなっていて面白い庭です。

木の高さを抑えているようで高木はないので日当たりがよくて気持ちがよく建物が引き立ち、そして何よりも庭木の向こうに望む熱海の街とその更に向こうに広がる海が借景として本当に素晴らしいです。
逍遙もここからぼんやりと海を眺めていることもあったのでしょうかね。

 

双柿舎 筆塚

双柿舎 筆塚

※逍遙三念忌に夫人により建てられ、石の下には逍遙の毛筆と万年筆が花崗岩の筺に入れて収められているそうです。

晩年をこんな場所で過ごせたら……などと思わなくもないのですが現実的には庭の手入れは大変ですし、買い物も不便そうで実際に暮らすとなると躊躇してしまいますw

双柿舎の基本情報

地図

 

 近隣からのアクセス

JR東海道線来宮駅の南側、熱海街道を西方向、梅園方向に少し歩きますと左に降りて行く坂道がありますのでそこを下っていきます。ミニ祖って歩いていきますと、クランク手前、左側に双柿舎の入口があります。案内板が立っているので気付くと思います。

 

駐車場

双柿舎には駐車場はありません。
強いて近くの駐車場と云いますと、今回出発地点としました熱海街道沿いの来宮駅の南口の向かいに広い駐車場があります。一時間100円です。こちらを利用するのが比較的近く料金も安くてお勧めです。こちらからは熱海梅園や来宮神社も徒歩圏内ですし、市街地まで行くにもいいかと思います。
もっとも市街地中心で移動するのでしたら海の方の駐車場の方が坂が少なくて便利かとも思います。

その他にも市街地にあるマックスバリューの駐車場も良いかもしれません30分100円ですが、買い物をすると一時間無料になります。買い物の予定があればこちらも便利かもしれません。

ただいずれにしても坂道です。

 

公式情報

住所 〒413-0016 静岡県熱海市水口町11-17
TEL 0557-86-6232 (熱海市生涯学習課文化施設室)
営業時間 日曜日10:00~16:00
定休    毎週月~土曜日
料金    無料
駐車場   なし
アクセス

■JR熱海駅より相の原方面行きバス利用約10分→
来宮駅前下車→徒歩約5分
      ■JR熱海駅よりタクシー利用約10分
備考   ※日曜のみ開館

 

引用元 双柿舎|観光・体験|あたみニュース - 熱海市観光協会 公式観光サイト

 

双柿舎から出まして来た道と反対方向に向かいますと、くねりと曲がった先に二股がありますので左の下り方向に進みます。その二股の間が海蔵寺であり、間もなく右側に石段と山門が現れます。

 

海蔵寺 坪内逍遥の眠る地

海蔵寺前

海蔵寺前

※立派な階段の途中にはお地蔵様が並んでいます。山門も良い雰囲気です。

随感

こちらは双柿舎から少しだけ南に向かうとあります。
突然、なんでお寺なの? と思うかと思いますが、実はこちらのお寺には坪内逍遙のお墓があるのですね。せっかく逍遙の双柿舎を見たのですから少しだけ足を伸ばししてこちらを詣でても良いのではないでしょうか。
因みに逍遥の功績をしのぶ法要が2月28日にこちらのお寺で開かれています。逍遙は熱海でも執筆活動をしていたようですが、地元との交流も盛んだったようで今でも地元の方たちに愛されているようですね。

海蔵寺 庭園

海蔵寺 庭園

※手入れの行き届いた綺麗な庭園です。ドウダンツツジは色づいていますがやはり紅葉はまだ早いですね。こちらの庭園と本堂の間を抜けると逍遙のお墓に続く石段が在ります。案内の石碑が立っていますので間違うことはないでしょう。

なかなか立派なお寺です。
山門を潜り右手に手入れの行き届いた立派な庭園があります。
本堂の横を進みますと逍遙の墓へ続く石段があり、そこを登るとお墓に辿り着きます。写真の紅葉の左上のあたりでしょうか。

堀内逍遙のお墓

堀内逍遙のお墓

※ここから庭園と本堂、そして熱海の街と海が見通せます。開発で景色が削がれる事がないことを祈ります。
小高いので背後は海まで見えてとても良い場所です。ただ写真は撮らなかったようで残念。

海蔵寺の基本情報

地図

 

近隣からのアクセス

双柿舎からですと正面の道を下り、クランクを抜けた先の二股を左に坂を下ると間もなく右手に正面口があります。
熱海総合庁舎の本庁舎からですと南に流れている川に架かる橋を渡り右に向かいます。坂道を道沿いに登っていきますと左手に正面口が現れます。

 

駐車場

参拝者用のものがあります、他の用事で利用する場合は許可を取るように書かれていますので無断駐車は駄目ですよ。

 

住所

〒413-0016 静岡県熱海市水口町17−24

 

 

さて道に戻りましょう。来た方向と逆の、坂を下ると間もなく右手に開けた道路が現れるので、海に向かう方向のそちらに足を向けます。ずっと下り坂ですので歩くのは楽ですよ。信号機のある交差点を渡りますと右手に起雲閣が見えてきますので、門から入りましょう。

 

起雲閣 正面玄関

起雲閣 正面玄関

写真の起雲閣の表門は、大正8年(1919)に創建され、薬医門(やくいもん)とよばれる造りだそうで、鎌倉時代末期・室町時代初期の武家や公家の屋敷などで用いられ、後に城郭や寺社などに使われるようになった作りとなっているそうです。

 起雲閣 「熱海の三大別荘」が一つ

随感

およそ100年前、第一次大戦直後の頃に建てられた別荘が元となっています。こちらは岩崎別邸、住友別邸と並ぶ熱海の三大別荘に数えられる由緒ある建物です。
それもそのはずでこちらを造ったのは海運王とも云われた農商相、内田信也の別邸が基礎になり、昭和に入ると鉄道王の異名を持つ実業家の根津嘉一郎の別邸として庭や洋風建築などが建てられました。その後は所有者が変わり旅館として近代まで活躍していました。

起雲閣 庭園から

起雲閣 庭園から

熱海という文人に愛される立地もさることながら、その美しい庭園や大正浪漫を感じる豪奢かつ美しい作りが愛されてか、山本有三、志賀直哉、谷崎潤一郎、太宰治、舟橋聖一、武田泰淳などなど名だたる文豪がこちらに逗留していたとのことです。それが今では熱海市の管理下で一般開放されています。
2月28日は「逍遙忌」ですが、実は起雲閣で「逍遥忌記念祭」が開かれていて逍遙とも繋がりがあります。

 

起雲閣 麒麟の間から

起雲閣 麒麟の間から

入口から入ってすぐの麒麟の間です。壁の色が真っ青で驚きます。ガイドさんの説明だと旅館時代にこの色に塗り替えられたとか。
こちらの建物はおよそ東向きに建っているので庭越しの朝日が差して起きるとき気持ちよさそうです。そのガラスも大正時代のものがいまだに使われていて均一でない作りが歪みを生み蕩けるように風景を歪ませいるのが何とも趣きを感じさせます。
こちらの建物の二階からも庭を見下ろせ、間近の赤松がよく手入れされていて綺麗でした。

 

起雲閣 玉姫の間

起雲閣 玉姫の間

玉姫は根津嘉一郎時代に建てられた洋風な建物です。建物全体内側も外側も柱が手鉋で刻まれていて凄く雰囲気があります。この作りは好みです。でも今個人宅でこんなことは余程お金をかけないと出来ないでしょうね。
床はタイル敷きで、天井がガラスのサンテラスのような部屋です。ステンドグラスがはまり光りがとても美しいですね。

 

起雲閣 玉渓の間

起雲閣 玉渓の間

玉渓は同じ建物内のお隣の部屋です。こちらには暖炉がありますね。中世英国チューダー様式に名栗仕上げを取り入れた山荘をイメージさせるような部屋です。名栗仕上げはちょうなで木の表面に凹凸のある化粧を施す方法です。ソファーに座りたいところですが文化財なのでNGです。残念。果たしてこれまでどんな人物がこのソファーに腰掛けてこられたのか興味が湧きます。

 

起雲閣 金剛の間

起雲閣 金剛の間

金剛の間は熱海ゆかりの文豪たちを紹介している部屋の後に在るのですが……あれ、ローマ風浴室の写真がない? 撮り忘れ??

この後も建物は塀に沿って庭を中心に敷地をぐるりと囲むように続いていて、今はイベントなどで使われている区画のある建物の中を通り抜け、一旦外に出て孔雀の間へ。こちらの建物は大正8年(1919)に内田信也の別荘として建てられたものです。赴き変わって和風ですね。これはこれで落ち着きます。

 

起雲閣 孔雀の間

起雲閣 孔雀の間

また元の建物に戻り、通路を進んで元の場所へ一周回って帰ってきました。けっこうな距離です。そこからまた外へ出て中庭へ。

起雲閣 中庭

起雲閣 中庭


中庭を散策します。こちらの庭は本当に手が行き届いていて見ていて気持良いですね。赤松が多いのですが、手が入っていて綺麗です。松は手入れが面倒なのによく手がけていて感心します。

起雲閣 庭の赤松

起雲閣 庭の赤松

下の写真は庭にある10人以上の庭師が2カ月以上かけて運んだと云われている「根津の大石」と呼ばれる石です。

起雲閣 根津の大石

起雲閣 根津の大石

池もあり、芝生の開けたところ木の密なところ、茶室用に拵えているようにも見える箇所もあり、変化があって面白いです。でも管理は大変でしょうね。

起雲閣は建物も庭も綺麗で見でがありますよ。こちらは文章で伝えるのは難しい場所ですね。どちらかというと実際に見てもらう方が良い場所ですね。

 

起雲閣の基本情報

地図

 

近隣からのアクセス

135号を南下してきますとサンビーチの端で道は上下線が分離して海側に逸れます。親水公園の終わりと共に道は内陸部に向かいますが、そこで右折して来た方向、市街地方向へ戻ります。この時、左車線に入るように気を付けてください。
信号の手前、横断歩道を目印に、細い一歩通行の路地があるのでそこを左折。次の十字路まで行きますと右向かいに起雲閣専用駐車場の看板がありますのでそちらに入って奥まで行ってください。見学受付の窓口は一番奥になります。

熱海街道できた場合は、市役所前交差点で右折。次の信号機で左折。起雲閣の塀があるのがわかると思いますのでそれに沿って右折。交差点の所、右側に駐車場の入り口があります。

一方通行が多いので気を付けてください。

駐車場

見学者用の無料駐車場有り

公式情報

住所 〒413-0022 静岡県熱海市昭和町4-2
TEL  0557-86-3101 (起雲閣)
営業時間 9:00~17:00(入館は16:30迄)
定休    毎週水曜日(祝日の場合は開館)・年末
料金    大人510円(団体の場合410円)・中高生300円(団体の場合200円)・小学生無料
駐車場   37台
駐車料金  無料
※大型バスは不可
アクセス JR熱海駅より相の原方面行きまたは起雲閣循環バスにて約10分→起雲閣前下車

引用元 起雲閣|観光・体験|あたみニュース - 熱海市観光協会 公式観光サイト

 

 

外部リンク 起雲閣(きうんかく)へようこそ|熱海市公式ウェブサイト

 

 

 

街中散歩

起雲閣を出まして玄関のはす向かいの路地に入り、道伝いに進みますと間もなく河沿いに出ます。もしくは一度来た路を引き返し交差点まで戻り右に折れて橋まで進みます。

熱海芸妓見番歌舞練場の外観

熱海芸妓見番歌舞練場の外観

そこの川を挟んで斜向かいが「熱海芸妓見番歌舞練場」です。熱海と言えば温泉、温泉と言えば芸者は付きものです。そんな伝統ある芸者の踊りを手軽に見学できる場所としてこちらで公演を行っています。なかなか人気も高く観るのには予約が必要なそうなので今回はパスします。

 

熱海芸妓見番歌舞練場からは河沿いの道を上流側、北西向きに進むとアーケードのある商店街に出ますので右に曲がり北に向かいます。

双柿舎を10時から見学しているとお昼を廻っている頃でしょう。食事をしたいのならこの市役所近辺で探すのが良いかもしれません。シャッターが閉まっているところも散見されるので事前に目星を付けておく方が賢明かもしれませんね。

とりあえず食事は飛ばしてそのまま道なりに進みますと、熱海街道にぶつかりますがそのまま先へ。交差点の小さな公園が実は熱海御用邸跡だと後から知りました。道がクランク状に曲がりその先の交差点に羊羹屋の建物が向かい合う形で建っています。

交差する道の海側が熱海銀座となります。逍遙は双柿舎に移る前はこの銀座付近に居を構えていたそうです。しかし人が増えて煩くなったので静かな場所を求めて双柿舎に移り住んだとか。

ときわぎ外観

ときわぎ外観

常盤木羊羹店 總本店外観

常盤木羊羹店 總本店外観

交差点の向かって左が「ときわぎ」で右が「常盤木羊羹店 總本店」です。ちょっと紛らわしいですがときわぎの二代目のころに別れたみたいですね。今では違う製法で羊羹を作っているらしいです。余程こだわりがあったのでしょう。
「ときわぎ」のきび餅はわりとお土産の定番ですね、美味しいですし。常盤木の方は伊豆山神社御用達だそうです。後こちらの方にはカフェも併設されていますので休憩に良いかもしれません。

どちらも街に華を添える雰囲気のある建物で良い雰囲気です。

 

外部リンク

熱海芸妓|公式サイト

熱海の和菓子 熱海 本家ときわぎ|公式サイト

常盤木羊羹店總本店‐公式ホームページ

 

湯汲坂 大湯間歇泉と市外電話発祥の地と湯前神社

羊羹屋の交差点を左折。坂を登りますと交差点があり少しずれていますが道は続いていますので進みます。道の脇には看板があります。こちらが「湯汲坂」になります。

湯汲坂の碑

湯汲坂の碑

熱海七湯 大湯間歇泉

ちょっと残念なお話なのですが、先にお断りしておきますとこちらの間欠泉は現在では人工のものとなっているらしいです。4分停止して3分吹き出すことを繰り返しています。しかしここはかつては世界に誇る大間欠泉だったらしいです。世界の三大間欠泉に数えられるほどで、イエローストーン公園内のオールドファイスフル、アイスランドのグレート・カイザーと並ぶと称されていたほどだったそうです。

熱海七湯 大湯間歇泉

熱海七湯 大湯間歇泉

当時は一時間おき程度で噴き出していて、「大湯」の噴出は昼夜六回あり、湯と蒸気を交互に噴出してその激しさに地面が揺れるようだったとあります。また「長湧」と呼ばれる現象もあり、半日以上も噴き出し続けたりもしたそうです。しかし明治の中頃から噴出量が減少し、ついには大正12年頃(1923)に止まってしまったとのこと。それを昭和37年(1962)に再噴出に成功させたそうです。

出来ることなら街中で盛大に吹き出している間欠泉を見てみたかったですね。同じくこちらも人工ですが諏訪湖の間欠泉を見たことがあり、あれでも随分と驚いたものです。しかし何しろこちらは世界三大間欠泉とまで呼ばれていたのですからさぞや凄かったことでしょう。実に惜しいです。
大地震の後に出たこともあったようですが、さすがに間欠泉を観るために地震は遠慮したいですね。

 

市外電話発祥の地

さて間欠泉を訪れて間が悪く噴出していないときは手前に建つ白い建物を見てください。なんの変哲もない公衆電話ですが、まさしく何の変哲もない公衆電話です……

市外電話発祥の地

市外電話発祥の地

でもそのままでは何も話しは始まりませんね。こちらは「市外電話発祥の地」として公衆電話が立っているのです。熱海は東京以外ではじめて市外局番が設置された地域だったのです。
それはこの地に保養のために政府高官や政治家、外交官などが別邸を建てたりしてたくさん集まっていたからなのです。中央と重要な用件を逸早く連絡付けるために引かれたのでした。つまり熱海はその当時の日本の政治の一角を担っていた地域だったわけですね。
そんなわけでして、その日本ではじめて市外局番を設置したことを記念してこちらの公衆電話が置かれているわけです。そうして眺めますと、何とも重要な公衆電話に……やっぱり見えませんねw
ただ最近は外に公衆電話があるのをとんと見かけなくなりました。或いはここはそんな背景からもしかすると最後の公衆電話として今後も残るかもしれませんねw

 

オールコックの碑とトビーの墓

まだ湯が出ませんか?
しょうがないですね、それでは右手をご覧下さい。そこに石碑があるかと思います。

 

 オールコックの碑とトビーの墓

オールコックの碑とトビーの墓


何とこちら、かのサー・ラザファード・オールコックの碑なのです! オオオオ!!
何をそんなに興奮しているかですか、って? 実はオールコックの碑を見るのはこれでふたつ目なのですね。一つ目は村山浅間神社にありました。

こちらのオールコック、駐日初代英国公使にしてはじめて富士山に登頂した外国人の方なのです。その方の碑がここにもあったのは驚きですが、でも実は偶然でも何でもありませんでした。実はオールコックは富士山登山後に、ここ熱海に立ち寄ったのだそうです。これで二つの点と点が繋がり線となったのですが――だから何だという話しです。

その際にオールコックは「自分が熱海を訪れた最初の外国人である」と記念して碑を建てたそうです。富士山登頂といい、意外と自己顕示欲が強い方だったのでしょうか?

その際に連れて歩いていた愛犬のトビーが、ここ熱海で火傷を負って命を落としてしまったのを可哀想に思った熱海の人たちが丁重に弔ったのをオールコックは見て感動し、江戸に戻った後に墓石を熱海に送って寄越し、こちらに建てられたそうです。またその出来事を通してオールコックの日本人に対する心象は随分とよくなったとのことです。こんな場所でも隠れた歴史の一ページを見ることができるものなのですね。

 


さてさすがにもう間欠泉は吹き出したでしょう。
それを見ましたら、道を先に進みます。とすぐに湯前神社です。

湯前神社(ゆぜんじんじゃ)

湯前神社

湯前神社

こちらもパワースポットですね。
平安の世の頃に「病を除く効果がある温泉がある」と神様からのお告げが下り、祠を立てて少彦名命神を祀ったのがこちらの神社の始まりとなっています。まさにここ熱海誕生の地と云っても過言でない歴史的なスポットですね。
その為当時から現代まで熱海の湯を守っている神社だとみなされていて、熱海の人々はこちらで温泉に感謝し、線脈が絶えないようにと秋にはこの神社で例大祭を行うのが伝統となっています。

因みにこちらの手水舎は温泉でけっこう人気があります。そういえば個人的にお湯の手水はここ以外ですと長野にある諏訪大社の下社秋宮で竜の口からちょろちょろと出ているのに触れたことがあるくらいです。わりと珍しいのかもしれませんね。こちらは鳥居を潜って右側にあります。

湯前神社は普段は無人ですが、御朱印を来宮神社の授与所で頂けるそうなので、集めている方は次で紹介する来宮神社と一緒に詣でると良いのではないかと思います。

 

湯汲坂の情報

地図

 

近隣からのアクセス

135号を北から来ますと熱海に入りサンビーチを通り過ぎると道が海側にずれる区間があります。その渚公園沿いの最初の信号機を右折。次の交差点を通過して熱海銀座を抜けると突き当たるような左に少しずれた十時路状の交差点に出ますのでその一方通行を直進しますとそこが湯汲坂です。

熱海街道からですと総合庁舎入り口交差点を総合庁舎と逆側に左折、直進後、静岡銀行のある交差点を左折すると現地です。

湯汲坂は一方通行なので気を付けてください、登り方向のみです。行ったときに逆走している車がいました。

駐車場

駐車場はありません。

自転車やバイクなどの二輪は、狭いですが空いていれば湯前神社前に道路ではないと覚しき三角形のスペースがありますので短時間であれば駐輪できるかと思います。但し参拝者の邪魔にならないように気を付けてください。また狭いので車は無理です。

公式情報

熱海七湯 大湯間欠泉
住所 〒413-0018 静岡県熱海市上宿町
TEL 0577-86-6231 (熱海市生涯学習課文化施設室)

湯前神社
住所 〒413-0018 静岡県熱海市上宿町4−12
TEL 0557-81-9817

外部リンク あたみニュース~熱海市の観光情報はココで決まり!|熱海市観光協会 公式サイト

 

それでは神社の脇、大きな楠木を過ぎると左手にホテル沿いの道がありますので折れてそちらに進みます。突き当たり丁字路を右にあつは深く考えずに坂を登ると線路沿いの道に出ます。
そこに信号機のある降参点がありますので、線路を潜って進みますと来宮神社の赤い鳥居があるかと思います。

 

来宮神社 命のパワースポット

こちらは大変人気のある神社です。
来福、縁起の神として古くから信仰されています。

随感

 

来宮神社 拝殿

来宮神社 拝殿

そして来宮神社の目玉は何と言っても「大楠」です。樹齢2000年とも言われる御神木の大きな楠木が訪れた人を迎えてくれます。この長寿の大楠はパワースポットとして非常に人気が高く、いつも人で溢れています。

この楠木の持つ長命な生命力にあやかろうと言うことでしょう。実際、この御神木の御利益は、健康長寿、心願成就であり、幹の周りを1周すると寿命が1年伸びるとも、心に願いを秘めながら1周すると願い事が叶うとも伝説が伝わっているのです。

来宮神社 大楠1

来宮神社 大楠1

これは熱海に来たのなら絶対にこの地を訪れて廻らなければ損ですよw 悩み事があったらこちらで思案しながらぐるぐる廻れば、願いは叶い、寿命も延びるという一石二鳥― ―て、さすがにそんな都合の良いわけはありませんよね。もっと真剣に取りくまなければさすがに神様に見透かされてしまいますよね。というわけでして真剣にグルグルと廻りましょう。結局廻るのかいw

 

来宮神社 大楠2

来宮神社 大楠2

 

大楠もお気に入りで好きなスポットではありますが、難点は賑やかな熱海の中でも特に人が多いことでしょうか。写真を撮り難いですw

こちらの境内には茶寮『報鼓』と神社直営のおやすみ処があり、腰を落ちつけて休むことも出来ます。
熱海を一通り見て足がつかれていたらこちらで一休みすればよろしいのではないかと思います。

 

来宮神社の基本情報

地図

 

 近隣からのアクセス

来宮駅南、熱海街道を線路沿いに東へ進み最初の信号機をそのまま直進して街道から外れ、最初の信号機を左折。
線路を潜り正面二股に分かれている道の間が来宮神社になります。

135号からですと熱海街道を海側から上り、線路とぶつかる交差点を右折、最初の交差点を左折で線路を潜り正面二股に分かれている道の間が来宮神社になります。

駐車場

神社の近くに参拝者用の無料の駐車場有りますが少ないです。場所は神社正面二股に分かれている道の右方向に進み坂を登ると途中左側に一つ目の数台分の駐車場があり、坂を登った突き当たりに二つ目の駐車場がありますが数は限られています。また坂の途中の駐車場は道の勾配がきついので出入りには気を付けてください。

3つ目は線路を潜ってすぐに左折、ちょっと走ると右に坂を登る道がありますのでそちらに折れると前に比べれば幾分か広めな駐車スペースがあります。但し駐車場までの脇道は細くて混んでると走りにくいです。

出来れば有料で離れてしまいますがこの記事の起点にした来宮駐車場を利用する方が駐めやすくて安心です。とくに大きな車の方はこちらの方が絶対に良いですよ。

二輪に関しては地図を見ていて気が付いたのですが一つ目の駐車場の道路を挟んで向かい側、横道との分岐の所にカーポートが建てられていて、そこが駐輪場に指定されているようです。ただ看板を見た記憶がないので定かではありません。

 

来宮神社の公式情報

住所 〒413-0034 静岡県熱海市西山町43-1
TEL  0557-82-2241
開頭時間 9:00~17:00
(※ご祈祷の受付は16:30まで)

駐車場はございますが、数に限りがございますので混雑時には、来宮駅前市営駐車場などをご利用ください。
神社周辺が大変混雑いたしますので、公共の交通機関をご利用くださるようお願い申し上げます。
大型バスの駐車場ご利用は、前もって來宮神社社務所までお問合せください。

JR来宮駅から(JR伊東線で、JR熱海駅の次の駅)
道のり:約400m 徒歩:約5分 タクシー:約2分

JR熱海駅から(JR東海道本線/JR東海道新幹線)
道のり:約1.6km 徒歩:約18分 タクシー:約6分 バス:約20分
JR熱海駅から十国峠行または西山循環に乗車、『來宮神社』前で下車、目の前

引用元 來宮神社|公式サイト

 

熱海梅園も近いですね。

 

まとめ 来宮駐車場へ

以上で今回訪れる場所は終了です。帰りは来宮神社を出まして線路下を潜り、右方向、来宮駅に向かいますと朝に車を駐めた駐車場へ戻ります。

さて今回は熱海の街の中の観光スポットやパワースポットをぷらぷら散策する感じで紹介していきました。思っていたよりも紹介内容が多くて記事のボリュームも膨らんでしまいました(さすがに纏めるに時間がかかってしまい、記事の更新が遅れてしまいました)

熱海は坂が多いのでこれを通して歩くとけっこう疲れるかもしれません。施設や街中にも駐車場がありますので車で移動しながらポイントを移すのも有りかもしれませんが、それでも結局は駐車場まで往復する必要が出てきて歩く距離は思ったよりも伸びてしまいます。それならばいっそうのことたまには車を駐めて、足で移動するのも楽しめていいかもしれませんよ。やはり市街地では駐車場が難しいので、街中の駐車場を上手く利用して自分の廻りやすい方法をみつけてください。

 

 

2019.5.10追記 

市営駐車場の料金が変更になりました

 <普通車駐車料金>

8時間まで30分ごとに108円

8時間以上16時間まで1728円

16時間以後、1時間ごとに108円

※10円未満の端数は切り捨てになります。

※来の宮駐車場は営業時間・料金が異なります。

とのことです。来の宮駐車場が1時間100円から30分100円になったのはちょっと痛いですね。

近頃は民営でも一日800円で駐まれるところもありますので時間が長くなる場合はそちらも検討してもいいかもしれません。

詳しくはリンク先で確認願います。

外部リンク 市営駐車場|交通アクセス|あたみニュース - 熱海市観光協会 公式観光サイト

外部リンク 駐車場案合図.pdf