秋到来 紅葉の様子を見ながら富士山の宝永山を目指します
浅間大社から宝永山へ
この日は10月のほぼ終わりの日、天気も良く時間が取れたのでたまには富士山の5合目を目指します。
浅間大社 神田川からスタート、西臼塚へ
こちらの写真は富士宮口登山道の起点となる浅間大社から。
空気が澄んで良い天気です。富士山もよく見えています。
これはワクワクしますね。
写真の神田川の生まれる湧玉池の所から富士登山の始まりです。
いきなり急な坂となりますが、ここまで溶岩流が押しよせた名残です。その溶岩の下からしみ出した湧き水が湧玉池となり、この神田川となって流れ出ています。
それでは富士登山道を道沿いに登って行きます。
山宮浅間神社の横を通り過ぎますとこの辺りはすでに道はいつの間にか富士山スカイラインとなっています。
民家が少なくなり、道の右手に桜の木がたくさん植わっている場所がありますが、こちらが富士山さくらの園です。
春にはいろいろな種類のしだれ桜などが楽しめる場所なのですが、咲く時期が分かり難くてなかなか見頃のタイミングが難しい場所です。
それにしても富士山の前に電線があって邪魔ですね。
こういう所こそ早めに電線を地中に埋めてほしいです。
ここから一気に山の中に入ります。
1合目を過ぎ、さらに進むと西臼塚駐車場があります。
この辺りでも今年は10月末にしてはあまり色付いていません。
例年よりも紅葉は遅いようです。
て、それよりも富士山!
この正面に見えるはずなのに!
ものの30分も経っていないのに雲の中に入ってしまいました(汗
おかしい、こんなはずではありません。今日は各種天気予報でここ数日で間違いなく一番天気が好い日だったはずです。雲がこんな時間から沸き立つはずはないんです、たら無いんですよ。
嫌な予感がしますが、雲は富士山と西臼塚の間にあるように見えますので、さらに富士山に近づけば雲を越えて見えるようになるでしょう。
今日は良い天気、と唱えながら前進です。
西臼塚から5合目へ
富士山スカイラインをそのまま進むと御殿場に抜けてしまいますので途中で5合目方面に曲がります。この付近でおよそ2合目くらいです。
かつてはこちらも有料道路だったため料金跡が今も残っていますが、いまでも冬期の道路封鎖に使われています。
その辺りを過ぎますと高度も上がり景色が黄色くなってきて秋らしくなってきます。もちろん気温も低下し肌寒いです。
でもこうして見ると、この辺りではまだカラマツは黄色くないですね。
このあと一時的に曇りましたがそれは多分、雲の中を通過したからです。
再び日が差し始めると、眼前には錦秋の衣をまとった富士山頂が時折木立の上から白い頭を覗かせています。
尚、登山道上り線での駐車は全面で禁止されています。
実はこれ、かつてハイシーズンにマイカー規制がなかった頃の名残なのではないかと思います。
以前はハイシーズンには5合目の駐車場に駐めきれない車が道路に溢れていました。
路駐が許されていたので下り車線はずっと路肩に縦列駐車が並んでいました。5合目よりも2km以上も下でも車が並んでいたように記憶しています。
ですから両側に路駐されると道路が塞がってしまうので上り車線は路駐禁止と変則的な状態になっているようでした。
その頃の名残であるのではないかと思います。
まあ、皆さん富士山を見上げて興奮して前を見ないので路駐している車がいると追突事故を起こしかねませんからねw そんなことも考慮されて今でもこのような措置が執られているのかもしれません。
こちらはさらに登った場所にある七曲がり下の駐車場から見上げた富士山頂です。
この辺に来ますと富士山はかなり近くに見えますが、形はもうわかりませんね。変な形の山ですw
ここからはかなりきつい綴れ折れの登り道ですが、つい最近ここで自転車のヒルクライムレースが行われたんですよね。とんでもないです。
だてにくねくねと曲がっているのではなく、ここで高度が一気に上がります。登り切れば5合目駐車場はすぐそこです。
さすがにここまで来ると紅葉は良い感じです。
カラマツも黄色くなっていますね。少し盛りは過ぎていますがまだまだ綺麗です。
と言うわけで富士宮口5合目の駐車場に到着です。
駐車場は道路の両側に並んでいます。駐めるところがなければどんどん先に進みましょう。一方通行ですので間違えて戻らないように注意してください。通り過ぎても再び廻って戻ってくることもできます。
富士宮口登山道5合目から宝永山へ
この階段を上ると写真などでよく見かける標高2400mの看板があります。
登山者でない人はここで写真を撮って帰ってしまいますが、実はとてももったいないです。
ここから宝永山を目指して帰りは富士山自然休養林の中を歩いて駐車場に戻る宝永山火口縁周遊コースというハイクコースがあります。
ここを歩くだけでしたら普通の体力でしたら1時間半もあれば廻れるくらいの距離です。せっかく訪れたのですからもう少しだけ富士山を堪能して欲しく思います。
そして今回は結果としてこのコースを歩くことになりました。
5合目から6合目を目指します。高度差は100mほどです。
基本的には緩い坂道を登っていくだけの単調なコースです。
その間、天気が良ければ横手に富士山頂はずっと見えています。あまりにはっきり見えるのですぐそこにあるように思えてしまいますが、数時間登らないとたどり着くことはできません。
もっとも今回は閉山しているので山頂ルートは6合目の山小屋のところで閉鎖されています。実は横を廻ればすんなりと入れるのですが……
ただこの先は本当に自己責任の世界なので気安く足を踏み入れないことです。
封鎖口の前で撮影です。
ハイマツのように地面にへばりついた木ですが紅葉しているのでカラマツの種類なんでしょうね。上の方まで綺麗に色付いています。
この日は上空にヘリコプターが多かったです。
実はあの富士山頂から動画配信して滑落事故を起こした方が発見された日でした。多くの捜索隊が出され、マスコミなどのヘリなどもいたのかもしれませんね。
私は宝永山を目指す予定なので別ルートに進みます。
植物の数は少ないですがこの辺りの紅葉は綺麗でした。
ただこの辺りから、眼下にあった雲から沸き立つようにガスが時々上がってきました。
気持ち急く感じで先を急ぎます。そして宝永山が姿を現します。
赤いマーブル模様が特徴的ですね。噴火したときの温度によってスコリアの色が違うようですね。
宝永山には上から第一第二第三火口があります。この宝永山の火口一つが大室山の火口くらいのサイズがありそうです。やはり富士山は大きいですね。
写真の場所は第一火口の縁で、馬の背と呼ばれる部分の先が宝永山のピークとなります。
静岡県側から富士山を見たときに右の中腹に出っ張っているところです。
宝永山の赤岩は隆起してきた古期富士火山の噴出物だと言われています。
古富士火山とは10万年前から5000年前に活動していた今の富士山になる前の富士山のことです。
爆発的な噴火が特徴でなかなか迷惑なヤツでしたがこの頃に3000mの高さを超えたようですね。
その埋もれた山体はこの宝永山付近でかなり見られます。
宝永山の山頂を目指すには第一火口と第二火口の縁を渡ってまた登るわけですが、第一火口の底は標高2420m、宝永山は2693mと結構な高低差になります。ルート的には200mの坂を一気に登る感じです。写真をよく見ると斜面に道があるのがわかるかと思います。
この付近はスコリア丘で歩きにくいです。
ズブズブと足を取られるので登るのに時間がかかります。
下手をすると1時間近くかかってしまいます。
この日はそちらを目指す予定でしたが、思っていたよりも雲が登って来て視界が悪いです。
写真は割とましですが、切れて晴れ間が覗いたときに撮っていますので分かり難いかと思います 。
ここで無理をしても仕方ないので今回は宝永山は諦めました。
坂を下り第二火口の下の縁の先端に。
こちらの坂も足下が堆積したスコリアで歩きにくいので注意が必要です。
しばらく山頂が雲の中でしたが切れ間が現れたので写真を撮って帰路につきます。
富士山自然休養林を抜けて駐車場へ
帰りは第一火口と第二火口の中程にある富士山自然休養林のコースを抜けて5合目口駐車場に向かいます。
雲がまた厚くなり始めました。 この後、しばらく山頂は見えなくなります。
すぐ脇の富士山自然休養林の辺りは森林地帯となっています。
カラマツが多いので紅葉の時期には綺麗な黄色に染まります。
ただこの日はもう随分と葉は散ってしまっていますね。
それでも足下の下草が色付いていましたのでなかなか綺麗な景色です。
そしてまさかの……
実はいるんですよ。ツキノワグマが生息しています。
確か10月にも富士宮で目撃情報が上がっていたはずです。さすがに植物の少ない上の方にはいないと思いますが、森林地帯では気をつけてください。
ダケカンバも完全に葉を落としていますが、この高山の澄んだ空気と植物を見ていると山に来た感じがして楽しいですね。
この標高の環境を見るのに一番近い山が富士山というのは贅沢なのかもしれませんが、こういう景色を見ているとやはりアルプスなんかを歩きたくなりますね。
まあ、夏には八ヶ岳の方に行ってはいるんですけどね。このブログの趣旨からは逸れてしまいますので記事にすることはありません。
30分ほども歩けば駐車場の少し下の方に出ます。
とまあ、とっても簡単なハイキングコースです。
このルートですと宝永山に登らなければ5合目口から6合目の山小屋までの上り坂以外はほぼ登ることもなく簡単に歩くことができます。
夏場ですと富士山自然休養林の遊歩道は木陰となって気持ちよく歩けます。
ただ逆回りをするとちょっと大変です。
先にも記しましたように宝永山の周辺はスコリア丘です。
スコリアとは噴火の際に吹き出した小粒の溶岩ですが、これが火口の周辺に堆積して山体を形成していますので足を取られて歩き難い。斜面の砂浜を登っているのを想像すれば近いかもしれませんね。
ですので逆回りですとこの坂を登らなければならないので労力が増してしまいます。
日陰もなくまっすぐ登るのでうんざりしてくるんですよ。
でも富士山は山頂を目指すとこんな感じのところが結構あるんですけどね。
登山に不慣れな方は練習として登ってみるのもいいかもしれません。
この付近なら駐車場も近く人も多いですし比較的安全性は高いですから。
でも火口に転げ落ちたらほぼ死んでしまう……
富士山5合目 宝永山の基本情報
地図
近隣からのアクセスと駐車場
富士宮市浅間大社脇の富士山登山道(富士山スカイライン)を上っていきますとたどり着きます。
駐車場350台 無料
夏期はマイカー規制があります。詳しくは下の記事で確認してください。
駐車場には夏場は売店や食堂もあります。
トイレは協力金が求められます。登ってくる途中の高鉢駐車場のトイレは無料で利用できるので、そちらで済ますのもありかな。
公式情報
外部リンク 富士登山オフィシャルサイト
とここで本来なら記事を終了なのですが、当日、予定変更で中途半端に時間が余ってしまったので、富士山周辺をちょっと散策してきました。
なのでおまけ情報。
10月末 富士山周辺の紅葉具合
2019年の富士山周辺は例年に比べて比較的紅葉が遅めな気がします。
水ヶ塚でも一部の木を除いてはあまり紅葉は進んでいません。
腰切塚からの富士山は迫力があって好きなのですが、この日は雲の中なのでパスです。
写真はありませんが、富士山スカイラインの御殿場側は結構、色付いていました。
自衛隊駐屯地付近まで降るとさすがに早いです。
須山の富士浅間神社の紅葉はまだまだ青いですね。
山中湖に抜ける篭坂峠は少しは色付いていたかな?
山中湖の紅葉祭り会場である山中湖夕焼けの渚は落ち葉は黄色く綺麗でしたが、木々は比較的青いですね。
山中湖夕焼けの渚の展望台から撮影していますがやはりまだまだですね。そもそも富士山ないし……
同じ場所で昨年の11月の中頃に撮影した写真がこちらの記事にありますが、昨年は半ばには盛りがもう終わっていましたね。
そういえば旭日丘湖畔緑地公園の所の道路脇の駐車場の一部で工事をしていました。使える駐車場が少なくなっている気がします。
この周辺でもはっきりと紅葉しているのはドウダンツツジくらいでしょうか。
山中湖でこれですと、河口湖はまだまだでしょう。
山梨側に来てもあまり紅葉していないので高度の高いところを目指して吉田口登山道付近を登ります。
1合目付近ですと良い感じに色付いていました。
やはり山梨側の方が少し早いですがまだまだですね。これから徐々に降りてきそうな雰囲気です。
この分ですと紅葉台も早そうですし、そもそも富士山見えていないし……
パスw
鳴沢から樹海の中の道に入りますが、こちらもまだ早め。もちろん朝霧高原も。
今年は全体的に少し遅めな印象です。
このところ朝晩の冷え込みが強くなっています。
これで一気に紅葉は進むものと思われますが、富士山周辺で紅葉を見る計画の方は、例年よりも気持ち少し遅めの方が良さそうですね。