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伊東 城ヶ崎海岸 いいとこ取り2(いがいが根、ポットホールと駐車場)

本来ならば足で海岸沿いの自然研究路を歩いて移動するのが筋ですが、現実的には車を使ってしまうでしょう。
一度海岸から離れて橋立観光駐車場からいがいが根駐車場へ移動して再び海岸へ出ます。でもこれはこれでそれなりに歩くんですけどね。

 

 

城ヶ崎自然研究路2

足許酷い いがいが根

こちらも4000年前に大室山の噴火で流出した溶岩が海に流れ込んで出来たスポットです。
海縁は小さな入り江と根と呼ばれる岬が繰り返されるリアス海岸が特徴的です。しかもここは上空からの写真などで見ますと実際に溶岩が海に流れ込んだ支流の足が海に流れ込んで伸びて固まった形で固定されているようにも見えます。

そもそもこちらのいがいがの意味がこのデコボコと突きだした地形から来ているとのことです。でも実際に現地に足を運びますと想像以上にデコボコしていて歩きにくいことこの上ない事を知ります。本当に酷いんですよ。気持がそれこそいがいがします。あ、それだからいがいが根か。

 

いがいが根の上

いがいが根の上

※この写真でもごつごつ感はきっとまだ伝わりませんね。大きめの所ですと一つの瘤が膝丈だったり腰の高さまであったりしていて実際に歩いてみないと歩きにくさは伝わらないような気がします。そんなスポット紹介して歩かせるな、ですって? まぁ、そうなんですけどね。でも見晴らしも良いですし面白いところですよ。

 

駐車場からここまでも意外と見た目よりも足許が悪いです。鬱蒼とした木立が切れると目前にここの光景が広がるのですが、視線の先の水平線が真っ平らのに対して手前側の岸辺は随分と複雑に溶岩が入り組んだ地形になっていることがわります。

とりあえず海に近付きたいので溶岩がごつごつしている場所に足を踏み入れますが、まず平らな部分が殆どなく岩の頭の上を渡っていくような感じになります。多くは溶岩が冷えて固まりそのまま複雑な地形を形成していますが、何故か所々に質の異なる大きな岩が転がっています。

そのうちに足許に深い亀裂が目立つようになり、海に近くなりますとその亀裂の遥か奥から波の音が響いてきます。岩の下は海と云うことですね。ゴクリッ……

いがいが根は城ヶ崎海岸としては低い岩場とのことですが、それでも海面までは10メートルはあるのでは? つまりその割れ目は海まで達しているわけで、それを跨ぐのはよくよく考えるととても怖ろしいことです。そもそも足許の岩の下に地面が詰まっていなくて海だと思うだけで足が竦みます。狭くても10メートルの谷を跨いでいるのですからぞっとして当然ですよね。

運が悪いと、歩いている最中に足許が剥がれて岩もろとも海に呑み込まれるのでは、などと考えてしまうと引き返したくもなります。でも実際は幾つもの割れ目を渡っても足許の岩塊がびくともする様子はありませんでした。そのうち先に進むことに夢中になって気にならなくなりました。慣れるとは怖ろしいことです。

 

いがいが根の海

いがいが根の海

※この日はちょっと風があって波が高かったのかな? もう少し穏やかですと海の色が綺麗にでそうなんですけどね。

 

海の近くまで行きますと結構な高さがあり、波が打ち付けているのが見ててとれます。これはいつか崩れるな、と感じました。そうすると橋立のような岩場の磯が出来るんでしょうね。
海から見て窪んだ根の付け根には波によって穴が穿たれています。海食洞が出来ていますね。日々このような状態が続いているわけで、いつかは崩壊するのは決まっていることですね。

それにしても隣の岬の突端の少し低いところに釣り人がいて驚かされました。波も結構あるのに怖くないんですかね?

海っぺりなので波の高い日、風の強い日は絶対にいがいが根の上に行かない方がいいです。足許だけでも大変なのに、それ以外にも気を配るとなるととてじゃありませんが歩けない場所です。それにここは本当に足許が酷いです。ここを訪れるなら怪我を避けるためにもきちんとした靴を履くようにしてください。

 

廻れ廻れ、かんのん浜のポットホール 

かんのん浜

かんのん浜

※かんのん浜の石はわりと大きくて不安定です。歩くときは気を付けた方がいいですよ。石の上を渡ろうとするとぐらついて怪我をするかもしれません。慎重に願います。

 

いがいが根より城ヶ崎自然研究路を左手、来た方向へ歩きます。しばらく歩きますと少し開けた石浜に出ますが、そこが「かんのん浜」になります。杭には「かんのんの浜」ってありますけど……細かいことは気にしない。

かんのん浜の真ん中に松の生えた大きな岩塊がありますが、その岩の海側に市指定天然記念物のポットホールはあります。
自然研究路を外れ浜に出ますので道はありません。大きな石が転がる浜を歩くので注意が必要です。足許悪いので歩けるようにちゃんとした靴を履いていないと危険です。

 

ポットホール

ポットホール

※これは見事に挟まっていますw これくらいのサイズですと数百キロくらいありそうですが、波が来ると動いていました。

 

ポットホールとは日本語で甌穴(おうけつ)のことです。
甌穴は岩石が水の力で動き回り岩に穴を穿つことです。実はそれ自体はそれほど珍しいことではなく、良く探せば日本全国あちこちにあるものです。

ただここのポットホールは1.2メートルのサイズがあり、その中にいまだに壊れることなく穴を穿っている石が残ってるのです。しかも石のサイズは直径70センチと大きく、角が取れて見事な球状をしています。
こちらは岩盤の亀裂に挟まった岩塊が波によって動き、周囲を削りながら丸くなったのでしょう。岩の隙間に上手く填り込んだため波によって攫われることもなく今に至ったものと考えられます。

自分が訪れたときはわりと潮が満ちていてポットホールは波を被っていました。波が来ると岩の球はその度にごとごと動いていました。この様子ですともっと強い波が来ると間違いなく岩の球は廻りますね。現在は良い具合に穴に填り込んでますが、このまま動き続けるといつかは摩耗し小さくなって波に攫われるか、割れて無くなってしまうでしょう。長い時間の中で今だけ目にすることが出来る自然の産み出した奇蹟ですね。

 

ポットホールの波打ち際の様子

ポットホールの波打ち際の様子

※石のボールが直径1メートル弱ですから、この場所の悪さが何となく写真から伝わるかと思います。現地でぱっと見はたいした事ないように見えますが、やはり気を付けないと危険な場所ですね。

 

ただこちらは波打ち際の危険な場所にあるため案内人の同伴が推奨されています。個人でもいけなくもないですが、その場合は絶対に岩場からポットホールの近くまで降りないでください。
特に下の岩場が湿っているときは危険です。一見波が来ていないときでも、時折大きなうねりが入って波を被ることもあります。そうなると怪我をするか沖に流される、或いはその両方の可能性もあります。
また波が高い日は岩場自体に近づくのは危険ですので、そのような日にあたってしまった人は運が悪かったと諦めた方がいいですよ。命には代えられません。

 

基本情報

地図

いがいが根の位置

いがいが根駐車場から10分ほど照葉樹の多い林中の道を歩き海岸線へと出て行きます。

 

ポットホールの位置

駐車場はいがいが根駐車場を利用し、いがいが根まで歩いて来たら自然研究路を左に進んだ先にかんのん浜はあります。

 

いがいが根駐車場

 

近隣からのアクセス

駐車場までのルートは別荘地を抜けるのでちょっとわかりづらいです。
135号の城ヶ崎入口から入りまして109号を進み、城ヶ崎海岸右折の看板のある信号機のある交差点を右に折れ、しばらく進むと二股に分かれますがそこをいがいが根方向に右に入ります。
道なりにしばらく進みますと交差点の中にロータリーのある木の生えた場所がありますので城ヶ崎自然研究路の看板に従って左折。真っ直ぐに下るとカーブの所に駐車場があります。

 

いがいが根駐車場

いがいが根駐車場

※駐車場入口は写真のような感じ。駐車場にはシイノ木が植えてあり、この時期ドングリが落ちています。車のルーフに落ちて跳ねる音が……駐車場所には気を付けて。

 

橋立観光駐車場からの場合は駐車場の前の道を対島川を渡る方向、東へと進みます。変形の十字路みたいな場所を道なりに左へ。
(道は狭いですが二輪などは真っ直ぐでも突き抜けられます)
道なりに進むと正面に「伊豆高原 ゆうゆうの里」の入口がありますのでそこの交差点を左に。あとは道なりに進みますと駐車場に辿り着けます。

駐車料金

無料

駐車場にトイレ有り。

 

公式情報 

危険情報
足もとの悪い場所がありますので動きやすい服装でお越しください。
海に流れ込んだ溶岩は波によって削られ、断崖絶壁を作っています。崖は崩れたりすることもありますので、崖の端に近づきすぎないようにしてください。
また、崖の下に入り込むような場合には、落石などの落下物にも注意が必要です。
いがいが根は城ヶ崎の中でも崖の高さが低い場所です。高潮や高波の際には注意が必要です。

ポットホールに至る遊歩道はありません。ガイドツアー等をご利用ください。


アクセス  駐車場から徒歩約10分
トイレ    トイレは「いがいが根」から徒歩約10分の駐車場にあります。
駐車場   いがいが根駐車場(20台)

南から来た火山の贈りもの 伊豆半島ジオパーク|公式サイト

 

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