ふじ楽いず楽

富士山周辺と伊豆の観光スポットや遊ぶところを紹介するブログです

松崎の穴(物理) 室岩洞 石部 雲見霊廟 千貫門

 

穴と言っても残念ながら虎の穴とか、抜け道とかそういう類いのものではありません。
本当に陸地に穿たれた穴のことです。

松崎町にある穴をいくつかまとめて紹介します。

 

かつての石切場(石丁場) 室岩洞

さあ、冒険の始まりだ

室岩洞とは、江戸時代から昭和の半ば近くまで伊豆石を切り出していた石切場の跡地です。
現在そこを観光化して内部を見せてくれています。

 

室岩洞入り口

室岩洞入り口

 

伊豆はもともと太平洋の海底火山が日本のこの地にたどり着き隆起した地形なので、多くの火山灰が滞積していた歴史が有り、それが長い年月をかけて凝灰岩となりました。

 

凝灰岩は柔らかで切り出しやすく、また加工しやすい上に耐火性に優れている性質から建築資材として重宝されてきました。

伊豆にはその凝灰岩の地層がたくさんあるため、あちこちで石が切り出されて江戸の建築時や明治の文明開化、大正の大震災からの復興、戦後復興と首都圏を中心に多くの石が運ばれ利用されました。
伊豆石の色や質が良いと京都のお寺などでも使われているようです。


しかしそんな石の産地でもあった伊豆ではありましたが、時代の変化と共にコンクリートの利用などが増えたためなのか、需要は減る一方でたくさんあった石切場は閉鎖されました。

こちらも昭和29年まで稼働していたようですが、その後は閉鎖されていたようです。


それが観光地化され一般に公開されるようになったのです。

 

それでは現地を紹介します。

道路脇の駐車場に車を駐めると道の反対側に室岩洞の看板があります。

 

室岩洞降り口

室岩洞降り口

 

すぐに階段となります。結構段差が激しいところもありますので足下に気をつけて進みます。

 

室岩洞への道

室岩洞への道

 

しばらくして、最初の写真場所にたどり着きます。

  

いよいよ中に入ります。

と、突然モンスターが現れた!?

 

室岩洞のモンスター?

室岩洞のモンスター?

 

いえ、ただの人形ですねw

一応、観光施設なのでそれっぽく作ってあります。
石切の現場で働く職人でしょうか?
しかしライトの当て方が悪いのか、ちょと怖いなぁ。

どうしてわざわざ下から照らし上げてるの?w
もしかしてサービス? まぁ、無料なので文句もないですが。


そうです、こちらの施設は入場無料なのです。
多分、とても料金を取りにくいのでしょう。この規模ですと人によっては金返せと言われかねませんからね。

それにしても人気のない暗闇に入ってすぐにこのような人形があると心臓に悪いですよ。

坑の中には薄暗いけど明かりは灯っています。それを頼りに道順に進んでいきます。

 

室岩洞内部

室岩洞内部

当たり前なのですが壁も天井も蚤の後だらけです。
この坑が人工的に穿たれたことをものすごく主張している感じです。

 

室岩洞内部

室岩洞内部

 

途中には水がたまった場所もあります。薄暗くて写真が撮りにくい(汗
三脚持ってくればよかったと後悔。

 

室岩洞 最初の水たまり

室岩洞 最初の水たまり


突き当りを右に進み、天井の低い場所を抜けると再び水溜まりです。

 

室岩洞 次の水たまり

室岩洞 次の水たまり


時計回りに進みますと前方には日の光が差してきます。

入り口に戻るかと思いきや、海側に抜ける出入り口です。

 

室岩洞 海側の出入り口

室岩洞 海側の出入り口

 

かつては切り出した石は海路を使って運搬されていました。
ここは室岩洞から切り出した石を直接海に運び出すための通路だったようです。

 

 

室岩洞の海側

室岩洞の海側

て、崖の上です(汗
海面ははるか下です。
どうやって降ろしていたんでしょうね。

それにしても海が綺麗です。降りて潜ってみたいw

 

ともかく、ここが室岩洞の最奥部です。
こここそがこの洞窟探検のクライマックスであり、お宝のある場所なのです。

そう、幾多のモンスターをなぎ倒し、ラスボスを倒して初めて到達することができるの場所なのです。
(そんなことは微塵もやってない)

 

で、何がお宝かって?

なんと遙か向こうに富士山が見えるのです!!
(※天気の好い日限定w)

 ↓この辺!

室岩洞からの富士山

室岩洞からの富士山

見えにくいので拡大します。

 

室岩洞からの富士山 拡大

室岩洞からの富士山 拡大

 

薄暗い洞窟を抜けた先で出会う富士山はなかなかいいものですよ。
ここでしか味わうことができない景色に出会えた気がします。


そして帰り道なのですが、順路に従って進むとすぐに入り口の人形のところです。
逆回りならすぐに海に行けましたw

 

当時、働いていた人の労力を考えると申し訳ないのですが、あまり大規模なものではありません。
自分が掘れと言われれば、絶対にお断りする規模ですけどねw

さっと回れば10分もかからずに回ってしまえるサイズです。
そのため、無料で見学できるのでしょう。


ただそれでも石を切り出した穴の内部に気軽に入れる整備された施設は少ないので、伊豆のジオや歴史を知る上ではとても貴重な施設だと思います。

興味のある方は松崎まで行ったらちょっと立ち寄ってみると良いか思います。

ただ観光施設にしては残念なことに行くまでの階段がちょっと険しいところもあるので足の悪い方には不向きかもしれません。

 

室岩洞の駐車場などの基本情報

 

地図

近隣からのアクセスと駐車場

136号を松崎町の市街地を抜けて南下しますと長八美術館の先で道は信号機で右に曲がりますので右折します。

道は海岸沿いに進みますがトンネルを一つ抜けた先でまもなく右側に更地の駐車場があります。

室岩洞の入り口は道路の反対側の看板の所を降ります。


駐車台数 普通車4,5台ほど

駐車料金は無料

トイレありますがあまり綺麗ではないので緊急用くらいに。

公式情報

所在地 〒410-3611 静岡県賀茂郡松崎町

電話番号 0558-42-3964(松崎町企画観光課)


営業

洞窟内の電気は午前8時30分に点燈し午後5時に消えます。
電気が消えますと洞窟の中は真暗になります。

午後4時30分以降は危険防止のため中に入らないようお願いいたします。

 

石部の海沿いの穴

目指せ天窓洞w


石部海水浴場の脇の道を入ると石部の港があります。
平六地蔵露天風呂があるところですね。

その港脇をさらに進むと防波堤がありますのが、その付け根部分には上に登る階段があります。

 

石部の防波堤の付け根

石部の防波堤の付け根

 

こちらの崖部分もタフォニが手に触れる近さで観察できます。
「タフォニ」とは海水の飛沫などの塩類が付着し、水分が蒸発して結晶化してそれが成長して岩石表層部を破壊して穴を穿つ現象のことです。

崖にボコボコ穴が穿たれていて面白いです。

 

 

石部 防波堤の向こう側

石部 防波堤の向こう側

 

そこを越えて岩場に設けられている半壊している歩道を歩き岩場を回り込みます。

 

石部 岩を回り込んで振り返る

石部 岩を回り込んで振り返る

海際の崖に海食洞が穿たれています。

 

石部 海食洞

石部 海食洞

 

写真ですと小さいようですが、それなりのサイズはあり、人が普通に入れます。ただ奥行きはありません。

まだまだこれから成長するであろう海食洞の卵ですね。
これが発達するとさらに深い穴となり、天井が抜けると堂ヶ島の天窓洞や南伊豆の竜宮窟のような状態に変化していくのでしょうが――それは一体いつのことやら。

 

ここで明かりを灯したのか蝋燭を立てた跡がいくつもありました。
こんな所で何を……

 

坑の中から振り返る

坑の中から振り返る


石部のこの場所は岩場にわざわざ歩道のように整備された跡があるのですが、この先は海と崖に阻まれて進むとはできません。

何のためにこのような整備が成されたのか意味がわかりません。
この海食洞を観るため――とは考えられませんので、ただ単に海に出るためなのでしょうか?

それとも今は浸食でなくなってしまっているだけで、かつてはお隣の岩地に抜けられる歩道でもあったのかな?

ちょっと不思議ですね。

 

 

石部の海岸の駐車場などの基本情報

地図

近隣からのアクセスと駐車場

石部海水浴場の奥です。

駐車場は港の手前に数台分あります。無料です。

奥は広いのですが、車は夏期にしか入れないのかも。
ただし海水浴シーズンには有料駐車場となり一台1500円

 

 

雲見霊廟

石切場(石丁場)を再利用


136号を石部を抜けて雲見の手前、赤井浜の降り口の手前の右側の崖に雲見霊廟はあります。

136号から唐突に石段が刻まれ、岩壁の間にできた空間に入ります。

 

雲見霊廟

雲見霊廟

 

こちらもかつての石切場の跡地です。その跡地を霊廟として利用しているようですね。
しかし詳しいことは何処にも記されていないのでよくわかりません。
地元の方たちの墓地なのか、それもとどこかの新興宗教でも関与しているのかもさっぱりです。
ただ普通の墓石なども有り、明らかに今も現役で使われている墓地のようです。


階段の先には岩掘られた坑があり、誘われるように足を運びます。

 

雲見霊廟 坑の中から

雲見霊廟 坑の中から

 

そこは石を切り出した結構広い穴で左にはまた別の出入り口が有り階段の先には外が見えるので進みます。

 

雲見霊廟 奥の階段

雲見霊廟 奥の階段

 

こちらは石を露天掘りしたような場所ですね。
なかなか垂直にそそり立つ岩肌が高さがあって迫力があります。

 

雲見霊廟 露天掘り跡か

雲見霊廟 露天掘り跡か

 

写真の左手には建物が有り、こちらが霊廟となっているのでしょう。

建物には入れませんので(無関係なので入る気もありませんが)周囲を回ろうとしました。が、どうもバルコニーのように張り出した空間のようです。

あまり整備が整っていないようで歩くとボコリとゆがむ感触が有りちょっと怖かったです。

それでも恐る恐る廻ってはみましたが特別なものも気になる景色もなく一周してしまいました。

 

雲見霊廟 坑

雲見霊廟 坑


雲見霊廟は石切場の跡地としてはちょっと面白い形をしていますし、奥の岩壁も良い感じなのですが、それほど広いわけでもなく現役の霊廟として利用している場所でもあり観光には向かない感じですね。

石に興味がある方にはいいかもしれませんが、普通の人はあまり行かない方が無難かもしれません。

雲見霊廟の駐車場などの基本情報

地図

近隣からのアクセスと駐車場

136号沿い、赤い浜より少し石部寄りの山側にあります。
廃屋といなばやの間です。

駐車場はありません。

雲見の海沿い無料の駐車場(夏期有料)に駐めて歩いてくるか、いなばやの有料駐車場に駐めるしかないです。一台1000円です。

雲見の海水浴場に車を駐めて歩いてくるのが良いでしょう。

ただ夏期は有料になるので注意してください。

 

 

千貫門

見る価値が千貫文にも値する


松崎で穴と言えばこちらの千貫門は外せませんね。

昨年は夏に泳ぎに行ったのですが、うねりが入っていて危ないので泳がずに帰ってしまいました。

 

千貫門 上から

千貫門 上から

 

それでもこちらの景色は素晴らしいのでまだ観たことない方にはぜひ観て欲しい場所ですね。

海に突き出した結構なサイズの岩山に波による浸食でけっこうなサイズの穴が空いています。

 

千貫門

千貫門

 

その姿が巨大な門のように見えることから、烏帽子山山頂にある雲見浅間神社の門に見立てられ「浅間門」とも呼ばれていたそうです。

ただその姿があまりに凄いので「見る価値が千貫文にも値する」という意味からいまの「千貫門」という名が定着したようです。
それだけ凄い景観だと云うことですね。


確かに千貫門は素晴らしいのですが、やっぱり実物を見ないと迫力が伝わらないかもしれません。

意外と大ききな岩の塊で間近で観ると存在感が凄いです。

 

千貫門

千貫門

 

できれば伊豆を訪れたのなら足を伸ばして欲しい場所ではあるのですが、やっぱり雲見は伊豆の中でも遠い方なのでなかなか観光客は来ませんね。海水浴シーズンに数人見かける程度です。

 

ただ増えたら増えたで千貫門までの歩道が結構危険であったりと、いろいろなことが問題となりそうな気もしますので、あんまり大人気なんてことにはならない方が良いのかもしれません。

訪れるときはこっそりとお願いしますw

 

 

千貫門の駐車場などの基本情報

地図

近隣からのアクセスと駐車場

駐車場はありません。雲見海岸の所に駐めてください。
歩いて町の中を流れる川沿いの右側の道をずっと辿って行くと136号をくぐり、橋を渡って左岸へ。そのまま歩くと鉄パイプを組んだ橋がありますので、それを渡り、小高い山を登ります。
跡はそのまま歩けば海岸に降りていけます。

※この入り口付近にも民宿や料理やもありますので、相談すれば車を駐めさせてくれるかもしれません。

公式情報

所在地 〒410-3611 静岡県賀茂郡松崎町雲見

電話番号 0558-45-0844(雲見温泉観光協会)

外部リンク 松崎町観光協会-花とロマンの里松崎へようこそ-

 

 

松崎の穴まとめ

とまぁ、松崎の穴をまとめてみました。

ただ記事を書いていて思い出したのですが、岩地の先にも穴があったんですよね。そちらの写真がなかったのが惜しかったです。

 

そもそもこの記事は室岩洞の記事を書こうとしたら物足りなかったのが発端です。

また、雲見霊廟などの写真もあったのですが、こちらも記事にするにはボリュームがなく、記事にしたくてもできなくて余っていたものを活用できないものかとの悩みもありました。

 

そこで思いついたのが「松崎の穴」ですw

 

いろいろぷらぷらしては写真を撮っているので、その中から穴を抽出してまとめたら良いんじゃないかと思いついたのです。

そう、ただの思いつきですw

そのため岩地の穴にも行ってないので写真がないのです。
計画的な記事ならきちんと押さえるのですが。まぁ、仕方ないですw

 

写真も撮影時期が異なったものの集まりですが昨年訪れた時の写真でまだ新しいものでまとまっています。

興味の沸いた方は足を運んでみてください。
西伊豆の海沿いは地質が変わっていて面白いですよ。