楽寿園のあるこの地は富士山から流れ出た三島溶岩流の突端であり、その下から富士山の伏流水が湧き出ている場所です。その為、小浜池をはじめ幾つもの水源が集まっているのです。そう、ここはまさに「水の都 三島」を代表する場所であり、憩いの場として愛されている空間なのです。
生命力溢れる楽寿園
明治時代に小松宮彰仁親王の別邸として造られ、後に韓国王世子李垠、伊豆出身の資産家である緒明圭造の手を経て昭和27年に三島市の所有地となり、同年市民の憩いの場として一般開放されるようになりました。
もともと由緒ある方の別邸だけあって、その庭は素晴らしく中心となる小浜池と周囲の自然林、植生を含む庭園全体が国の天然記念物および名勝に指定されているほどです。
ただ現在は残念なことに小浜池の湧水量が減少し、池が一杯に満たされることは少なくなってしまいました。写真の小浜池は最近ではわりと水量がある方だと思います。
それでも周囲の池には水が溢れ庭園を包む自然林が緑深く生い茂り、足許には木の根がまるで編み込まれるかのように這い回っている景色はまるでファンタジーの世界のようでもあり、その活き活きとした自然の力強さを感じさせる景観は見事なものです。散策して楽しいですし、とても気持ち良い庭です。
この公園の中心的建物である楽寿館は小松宮彰仁親王の別邸として小浜池の畔に建てられた明治期の代表的な建造物でとても貴重なものとなっています。こちらの建物は日に数回行われる見学ツアーで中を見学することもできます。
自分は今回伺ったときには時間のタイミングが合わずに見学を逃してしまいました。初めて尋ねる方はせっかくなので事前にツアー時間を確認して時間調整することをお勧めします。
園の敷地は広いですが意外と起伏が豊かな土地となっています。それは先に書きましたとおり、こちらの敷地はまさに富士山噴火の折に流れ出した三島溶岩流の突端にあたるからです。その形跡が園内の至る処で見て取れます。三島溶岩流が地面に表出しているポイントが幾つもあり観察することもできます。
またこの場所はそのような理由から伊豆のジオサイトに認定もされているのです。この辺りは伊豆ジオサイトなのに富士山の影響でできた地形が選定されているのが、何となく三島という立地を象徴しているよな曖昧さが有り面白いですね。
楽寿園には自然溢れた庭園の他にもSLの展示、資料館やお休み処にのりもの広場、どうぶつ広場などがあり子供連れでも楽しめる場所となっています。
のりもの広場やどうぶつ広場はけっして大きなものでも目を見張るようなものではありませんが、そのチープさが何処か昭和の子供の遊び場を思い出させます。ある程度の年齢の方ならそれらに見て触れると郷愁が込み上げるものと思われます。
ちなみこちらのどうぶつ広場には118人に傷害を負わせた凶悪犯が暮らしています――まぁ、お猿さんなんですけどね。脱走なんかもしましたがラッキーは今では更生して園の人気者だそうです。
園全体が何処か懐かしいようなノスタルジックな雰囲気が漂うとてもなごむ場所で、ここがすぐ駅前、街中の立地であることを忘れてしまいます。
木々の下を散策してみたり四阿でぼうっとしてみたり、動物を眺めて時間を忘れてのんびりと過ごすにはうってつけの場所ですね。
楽寿園ではイベントが良く行われています。
楽寿園の駐車場等、基本情報
地図
近隣からのアクセス
※電車の場合は三島駅南口から降りてすぐ。間違って北口から降りると面倒なので気を付けてください。
駐車場
※駐車場は駅前口の西、清水銀行三島支店のところを南に入るとあります。また自転車やバイクくらいなら正門脇のスペースなどにも駐輪できそうです。駅の近くは駐輪が禁止されているので気を付けてください。
駐車料金 2時間まで200円~
公式情報
入園料 個人300円
駐車料金 2時間まで200円以後30分ごと50円開園時間
4月~10月 9時00分~17時00分(最終入園16時30分)
11月~3月 9時00分~16時30分(最終入園16時00分)休園日
毎週月曜日(月曜が祝日や振替休日の場合はその翌日が休園日)
年末年始(12月27日~1月2日)
三島市立公園 楽寿園
〒411-0036 静岡県三島市一番町19-3
電話 055-975-2570