ふじ楽いず楽

富士山周辺と伊豆の観光スポットや遊ぶところを紹介するブログです

富士山パワースポットの山宮浅間神社

前回記事にした富士山本宮浅間大社は地元では里宮とも呼ばれます。
それはここ山宮浅間神社があるからです。

富士山世界文化遺産3

山宮浅間神社は原初の面影を残す貴重な聖域です。

山宮浅間神社

山宮浅間神社

※遙拝所からの富士さんの写真となります。参道を進み、階段を登った先には拝殿や本殿などの建物はなく、このような遙拝所となっております。天気がよろしければこのように富士山が顔を出していて拝むことが出来ます。まさに富士山そのものが崇拝の対象であることが分かります。

随感

 
前回ちらりと出てきましたが富士山本宮浅間大社はもともとここ山宮にあったのを坂上田村麻呂が移動させたのです。つまりこここそが本来、在るべき場所なのですね。

参道の杉並木は結構立派ですし、広くはないですがそれなりに長さもあります。でも目に付くのは鳥居と石灯籠と籠屋くらいの――失礼を承知でいわせいただければ何もない場所です。何とここ神社を名乗っていますが本殿すらもないんですよ。いや、冗談じゃなく。
じゃあ、何を祀っているんだ、となりますが、それは聞くだけ野暮というもの。決まっているじゃないですか、もちろん富士山ですよ。

参道の先は小高くなっていてその石段を登った場所、普通ならば本殿があるはずの場所に遥拝所(ようはいじょ)があります。そしてその先にあるのはもちろん富士山なのです。

創建年代は不詳となっており、12世紀の土器が出土し、文献史料では16世紀から確認されていますが、浅間大社社伝によれば垂仁天皇の祀られていたとありますから3世紀頃には既に存在しており、日本武尊もここで祈祷したとも残されています。
ただここは神道となる以前から遥拝所として機能していた可能性が高いのではと穿った見方もできます。

そう、ここは古代から富士山を拝む場所なのです。
そもそも浅間(センゲン)はアサマとも読み、アサマは古代には火山を現す言葉でした。
富士山は太古より噴火を繰り返しており、何故か縄文時代から富士山周辺には多くの人が暮らしておりました。その人々が火を噴く富士山を畏れ敬うのは当然の心理といえるでしょう。人々はかつての溶岩流の跡であり小高くなったこの地で富士山を崇めたのです。

そしてここはその頃からの神道の原型となるアミニズムの姿をいまだに残している貴重な聖域なのです。それもそのはず、ここそが全ての浅間神社の中でも最古の浅間神社なのですから。プレ神社とも呼べる聖地であり、今尚、最古の浅間神社として連綿と受け継がれてきている聖域なのです。
こここそが始まりの地であり、とんでもないパワースポットです。

以前は遥拝所の敷地に入れましたが最近は無理そうですね。
その代わりといっては何ですが世界文化遺産になったおかげで遥拝所から富士山を拝めるようになりました。有り難いことです。以前は木立で何も見えなかったんですよ。後は富士山との間を横切る電線を移動して貰えればw

山宮浅間神社参道入口

山宮浅間神社参道入口

※駐車場からは戻る形になってしまいますが、こちらが正面です。両側は殺風景で参道も細いですが、参道脇にはわりと大きな杉もあり良い雰囲気です。こちらから歩きますとそれなりに距離もありあらためて山宮の雰囲気を感じることができます。

 

かつてはこの山宮と里宮(浅間大社)の間で「山宮御神幸」という神事が行われていました。
これは4月と11月の初申の例大祭の前日、未の日に行われる神事で、神事に先立ち山宮におわす神様を矛の先に宿して里宮お迎えし、例大祭が終わるとまた矛に載せ再び山宮にお還りになるというものです。
その通り道は「御神幸道」と呼ばれます。浅間神社の神様は鉾先に宿りますが、その鉾を地面に付けることは許されません。そこで道中には「御休石」という一休みするための石が道に沿って並べられました。その石の上に敷柴(榊)を敷いて下ろして休憩したそうです。

山宮御神幸は真夜中の未の刻(午後2時)に本宮で神事が始まり、丑の刻(午前2時)に還幸となりました。
しかし「山宮御神幸」は光りを避けるように一切の灯火もなく夜の闇の中で執り行われたそうです。その為、道中は「夜無言無燭」が厳しく定められ、また昼の場合は「沿道の家々戸を閉ざす」ことを徹底されたようです。これはやはり矛先に宿る神様を見てはいけないという畏れから生じたものと思われます。

現在では「御神幸道」は失われており、その全道程ははっきりしていません。道に沿ってあったはずの「御休石」もその大半は失われてしまっています。
浅間大社楼門前の石段中央にある「鉾立石」と山宮浅間神社の参道に途中にある石が現存する「御休石」です。

山宮浅間神社鉾立石

山宮浅間神社鉾立石

※手前の参道の真ん中にあるのが鉾立石です。山宮には手前にもう一つ石はあったと思います。

 

これからも本来の主従が伝わってきますね。やはり山宮こそが……といいたいところですが、ここも遙拝所に過ぎず、やはり中心は富士山そのものなんですよね。それでもこの場所にはそれを直に受ける事ができる場所なのだろうと思います。

 

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基本情報

 地図

 

近隣からのアクセスと駐車場

富士宮口登山道を登り鳥居を過ぎて左手にトイレと案内所が併設された無料の駐車場が有ります。

公式情報 

参拝時間   年中無休
参拝料     無料
【案内所のご案内】
山宮浅間神社案内所は土・日・祝日 (10時~15時) のみ開館しています。
開館時は、富士山世界遺産ガイドが常駐しています。
※年末年始(12/29~1/3)は閉館します。

〒418-0111 富士宮市山宮740
[平日] 富士宮市役所(代表) : 0544-22-1111
[休日] 山宮浅間神社案内所 : 0544-58-5190

引用元 富士宮市 | 静岡県富士宮市|公式サイト